Up Cycle Circular’s diary

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新NISAへの追い風か、期待先行で好調な日経平均株価、気にしたい下落リスク

 日経平均株価が好調のようです。右肩上がりの株価だけを見ていれば、衰退途上国と揶揄され、ダメな国であったはずの日本の復活もあるのではないかと錯覚しそうです。

 足元では米国株の好調さが影響しての上昇と言われ、リスクの高い資産への投資を増やす投資家の買いが日本株に拡大しているともいいます。また新NISAが始まり、個人マネー流入の期待も意識されているそうです。

日経平均株価、バブル後高値更新の原動力は? - 日本経済新聞

企業の稼ぐ力やガバナンスの向上、デフレ脱却に向けた日本経済の好転を期待した買いがけん引役だ。投資家は賃上げなど経済の好循環を24年以降に保てるか注視している。(出所:日本経済新聞

 期待先行の株高のようです。このまま持続的な株価の上昇は続くのでしょうか。

 

 

生産性向上

 期待に応えるために企業がやるべきことが多々ありそうです。やる気を失った労働者がごまんといそうですし、生産性向上もやる気も改善しなければならないようです。

「やる気が無い社員が7割」という日本の現実を見据える1冊:日経ビジネス電子版

 大企業には、中途半端なホワイトカラーがごまんといて、日本全体の賃金水準低下に影響を与えているそうです。彼らの生産性は低く、会議や社内調整ばかりに時間を費やしているからと経営共創基盤の冨山和彦氏が指摘します。

冨山和彦氏「会議と社内調整だけのホワイトカラーが賃金下げている」:日経ビジネス電子版

 役立たずでムダな仕事を増やすホワイトカラーは淘汰されなければならないのかもしれません。それよりは、エッセンシャルワーカーを中間層並みに稼げる仕事にすべきと冨山氏はいいます。そんな構造改革が進むことはあるのでしょうか。

低下続く実質賃金

 実質賃金が20カ月連続で減少しているといいます。昨年11月の実績は7カ月ぶりの大幅な減少率となったそうです。

実質賃金は7カ月ぶり減少率、日銀正常化観測後退の新たな材料に - Bloomberg

インフレ率は鈍化傾向にあるものの、名目賃金の伸び悩みで実質賃金に改善が見られず、日本銀行が掲げる賃金と物価の好循環実現にはなお至っていないとの見方が出ている。(出所:ブルームバーグ

 現実はなかなか厳しいようです。

 

 

リスク

 この春の賃上げに期待なのでしょうが、どうなるのでしょうか。「官製春闘」との揶揄もあるようです。

デフレ完全脱却「最大の課題」 「官製春闘」に反論も―経団連指針最終案:時事ドットコム

 混乱する政治がリスクとなりそうな気もします。政権与党が自ら不安定化を招き、失策が続けば経済を冷やしかねません。

 他にもリスクはあるようです。2024版の「十大リスク」のトップに、米国大統領選を巡る政治的な混乱が挙がり、「中東情勢の緊迫化」や「ウクライナ分割」など地政学的なリスクが続いているそうです。

「米大統領選」がトップ 24年の十大リスク―米調査会社:時事ドットコム

 トランプ前大統領が共和党候補になれば、政治的な分断が悪化する可能性があり、「世界での米国の信頼を損なうことになる」といいます。

 年初、出だし好調で、新NISAにおいても追い風になりそうな株高ですが、リスクも気になります。やってくるであろう下落に翻弄されることなく、気長に長期保有する勇気を試されることになるのかもしれません。

 

「参考文書」

稼ぐ力映す株高 日経平均33年ぶり高値、好循環課題に - 日本経済新聞

「未来予測して終わり」やめよう VUCA時代の経営戦略 - 日本経済新聞

逆風下の岸田予算・税制改正 支持率低迷や政治とカネ - 日本経済新聞

「アベノミクス」修正は予断許さず 岸田首相も積極財政 - 日本経済新聞

経済大国、転落止めよう - 日本経済新聞

「安いニッポン」脱し成長へ 付加価値作る覚悟問う - 日本経済新聞