Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

政治腐敗、企業不正、揺らぐ経済大国

 GDP 国内総生産がドイツに抜かれるのがほぼ確実になったそうです。3位から4位へ。このままでは、インドにも抜かれるのも時間の問題で、ランキングは5位へと下落が続きそうだといいます。

日独逆転、GDP4位に転落 「経済大国=豊か」という幻想の先へ:朝日新聞デジタル

 先進国の窓際、衰退途上国、かすむ経済大国、そんな言葉を聞くようになりました。企業は不正を繰り返し、腐敗政治が改まらないのですから、当然のことのようにも思えます。そんな中、かろうじて株価は改革期待で好調のようですが、改革を進めることができなければ、そのしっぺ返しが心配になります。

 

 

「日本を、取り戻す。」安倍自民党が掲げた掛け声、キャッチフレーズだったといいます。情感のあるキャッチフレーズです。

 GDPで中国に追い抜かれ、2位から転落したショックの反動で国民受けしたのではないかといわれます。それなりに説得力があったのかもしれません。

 その後、安倍政権が誕生しアベノミクスが始まることになります。株価は上昇し、キャッチフレーズがさらに信認を得ることになったのかもしれません。政府政策を無批判に信奉し、同質性が強化され、経済大国復権との夢へと邁進していったのかもしれません。多くの人々が経済を口に出し、活気ある経済、経済を回すためには消費、そんな言葉が語られるようになっていったと感じます。

 しかし、現実は残酷なものです。結果は出ないまま、逆にランキングを落とすことになりました。その上、膨れ上がった政府債務など弊害が増えることになります。政治は一強多弱となって、まるで一党支配のようになり、陰では政治腐敗が進んでいたようです。

 

 

 停滞した賃上げ、これもその弊害のひとつなのでしょう。その「賃上げ」が国是になっています。政府、労働界、経済界代表による「政労使会議」が首相官邸で開催され、首相は「昨年を上回る水準の賃上げ」と掛け声をかけ、達成のカギを握る中小企業の賃上げについて、労務費の価格転嫁対策に「全力で取り組む」と表明したそうです。

政労使、持続的賃上げ確認 岸田首相「昨年上回る水準を」―春闘前、中小波及へ異例開催:時事ドットコム

 懲りずにまた国が掛け声をかけて、主導的な立場で進めようとするのでしょうか。また同じことの繰り返しになりそうです。国に頼るばかりでは、同質性から解放されずに、主体的な改革が実行できようはずもありません。気合いで賃上げしたところで、持続的なものにならず、疲弊していくことになりかねません。

 国は政治改革を進め、企業とのもたれ合い構造を壊していく。企業は企業で改革を進める。専門家が様々に、賃上げへの処方箋を提言しています。どれがもっとも効果的かは不明ですが、その中でもっと適合しそうなもの参考に、目標を定めて改革を進めなければならないはずです。

 

賃上げの研究 ~どうすれば実質賃金を上げられるか~ | 熊野 英生 | 第一生命経済研究所

 

「参考文書」

日本企業に蔓延る忖度・調整・決まらぬ会議 JTCを大解剖 - 日本経済新聞

「会計責任者が勝手に」政治家の釈明、専門家は「あり得ない」と指摘:朝日新聞デジタル

春闘に先立ち政労使が意見交換、賃上げ機運醸成へ | ロイター