2019年の出生数が90万人を切るとの報道を聞いてショックを受けた。ますます少子高齢化が進んでしまうことに危惧を覚える。子育て環境が改善されていないとの結果の現れなのだろうか。いつになったら子育て世代や現役世代の負担は改善するのか。
Key Point
★出生数、2年前倒しで90万人割れとなる見込み
★出産期女性の数自体が減少
子どもがいないからかもしれないが、少子化のことが気になる。会社を始めて間もない頃、市場調査目的で子育てするママたちと話す機会があった。お恥ずかしい話だが、子育てのたいへんさをはじめて知った。そうした問題をテクノロジーで解決できないかと思ったが、実現できなかった。まごまご考えている間に、誰かが新しいプロダクツやサービスを開発する。
全国自治体に設置が進む ベビーケアルーム
Trim株式会社は、授乳・離乳食などを安心して行える完全個室型の授乳室「mamaro」を全国自治体やショッピングセンターなどに設置を進めている。 専用アプリで授乳室の空室状況も確認できる。
Point
・コンパクトで既存の施設にもラクラク設置。デッドスペースの有効活用も
・空室情報はスマホでチェック。授乳室・オムツ替え施設検索アプリと連携
・授乳しながら楽しめる「mamaroView」(モニター)を搭載
・鍵つきの完全個室で安心して赤ちゃんのケアができる
ボッシュがベビーカー向けのスマート電動ドライブを開発
自動車部品メーカのBOSCHがベビーカー向けのスマート電動ドライブを開発した。専用アプリを使えば、カフェなどの外にベビーカーを停めおく場合、アプリを利用して警告機能設定も可能とのこと。2020年初頭から、スウェーデンのベビーカーメーカーEmmaljunga社の製品に搭載される予定で、複数のメーカーとの協働計画も進行しているという。(出所:BOSCHプレスリリース)
Point
・10人中9人が、ベビーカーの選定時に快適性と安全性を重視
・スマートフォンアプリでBluetoothを介したネットワーク化が可能
・インテリジェントなセンサーで電動ドライブおよび自動ブレーキ機能を制御
テクノロジーを使って提供できるサービスはあるが、一方でテクノロジーだけでは解決できない問題もある。そのひとつが電車やバスでの移動。
なぜこんなことが起こるのか?対策したはずだが...
政府や自治体、鉄道会社で対策をとるが、未だに解決されない問題がある。この問題についてBuzzFeed Newsが伝える。
電車でベビーカー、嫌な思いをしないために。ある母親が集めた千の声(BuzzFeed News)
さっき満員電車の中で、ある母親の声が何度も聞こえてきた。
— かんねこ弁護士@知らないと損する法律情報を発信する弁護士(石橋靖己) (@kannekolaw) December 18, 2018
赤ちゃんいます。
押さないでください。
赤ちゃんいます。
押さないでください。
何度も、何度もだ。
それでもさらに乗り込む乗客たち。上がる車内の人口密度。
「子育て専用車両」が必要ではないかと感じた。 pic.twitter.com/Q41wVoKkJc
こうした問題が存在するのもまた事実。もう少し寛容な社会であって欲しいなと願うばかりです。
高齢者に優しく子どもに厳しい?
古いマイナビニュースの記事に、「日本は子育てしにくい国」71%というのがあります。この記事のなかに、『高齢者に優しく子供に厳しい?』というがコメントあります。確かに、人口の多い高齢者へのサービスは手厚いのに、子育てに対するサービス全体を考えてもまだまだという気はします(教育の無償化はありますが)。
「日本は高齢者保護ばかりで、子供に対しての支援が少ないから。子供が安全に遊べるような場所や、安心して成長していける経済的支援が少ない」(27歳女性/機械・精密機器/技術職) (出所:マイナビニュース)
まとめ
少子高齢化のことが話題に上がってどれくらいの月日が経ったのだろう。いろいろな施策があったような気がするが、一向に出生数が上向かないばかりか、予測値を下回る事態に。子どもを社会で育てようの意識も見られず、不寛容さが増していることはないのか?
BOSCHは自動車部品や工具をつくるグローバル企業だが、顧客の声に真摯に耳を傾けて、自らの強みを子育て支援につながりそうな製品づくりに活かそうとする。日本の企業にもそのような取り組みが増えれば、社会の雰囲気は変わっていくのかもしれない。
この問題に果敢に挑戦するのは、Trimのようなスタートアップだけなのか。それが救いのかもしれないが、淋しいことでもある。
最後までお読みいただきありがとうございます。