DX:デジタルトランスフォーメーション、すっかりトレンドになったも思いきや、その割にはあまり進んでいないのでしょうか。
「DXについて正しく理解している日本のビジネスパーソンは、わずか19パーセント」
IT人材の育成専門企業トレノケートホールディングスの調査で、そうした結果が明らかになったそうです。
DX化が進まないワケ。正しく理解するビジネスパーソンはわずか2割 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
一方で、自社のDXが成功している人の中には、「ペーパーレス化」とあげるなど、DXの核心とはほど遠い内容もあるそうです。
記事は、DXの本質が理解されていない現実があると指摘します。
DXのキモは改革です。
昔ながらの業務をデジタルの置き換えるのはDXでもなんでもありません。なぜ改革が必要かは、逆に本気でDXを進めようとすれば、今のやり方じゃダメだと自然にわかります。(出所:Forbes)
言いたいことはわかりますが、DXにしろ、改革にしろ、その方法、アプローチを知らなければ実行はできません。
いずれにせよ、実行して何かしらの果実を得てはじめて、改革となります。そういう意味では、ペーパーレス化で効率化が進んだのなら、改革への一歩を踏み出したいってもいいのかもしれません。
改革はこうしてはじまったりするのではないでしょうか。それでは違うと批判するから、改革が頓挫するのでしょう。
国の構造改革は失敗ばかり
改革と口に出すのは簡単なことですが、それほど簡単なことであれば、日本経済がこんなに苦しむこともないのでしょう。
国はいくたび構造改革や行政改革に挑戦してきました。しかし、失敗の連続であったのではないでしょうか。それもあっての今日の日本なのでしょう。
DXとは.....
経産省が旗振りをして「DX」を推進しようしているそうです。「DXリテラシー標準」を策定し、「働き手一人ひとりが「DXリテラシー」を身につけることで、DXを自分事ととらえ、変革に向けて行動できるようになる」ことを目指しているそうです。
経済産業省は省内でDXを推進しているのか
推進役の経済産業省ではどの程度「DX」が進んでいるのでしょうか。
「企業が」ではなく、「政府が」「官庁が」に置き換えて読んでもらいたいものです。
個人的なイメージでは非効率の塊のように感じます。もし経産省が「DX」に成功しているなら、もう少し社会に伝播していても良さそうです。
それぞれの官庁が最低でもひとつ「DX」に取り組み、透明性を確保して、そのプロセスと結果を世に示していくべきではないでしょうか。そうすれば、自然に社会が「DX」に移行できるような気がします。
マイナンバーカードはなぜ普及しないのか
マイナンバーカードの普及がその最たるものなのかもしれません。まずは医療DXをオープンに推進し、その目的を明確にし、果実を目に見える形で分配すれば、みながDXの意義を理解し、カードの普及にもつながっていきそうです。
人は変化を好まないものです。それでも改革を進めようとするのであれば、改革の果実が何かをみなに知らせなければなりません。それが理解できて始めて改革の一歩が始まるのですから。
言葉の力
もし僕らのことばがウィスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に送り込む、それだけですんだはずだ。とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。しかし残念ながら、僕らはことばがことばであり、ことばでしかない世界に住んでいる。(出所:日経BOOKプラス)
村上春樹さんの 「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」にこの一節があるそうです。
言葉があるがゆえに、伝わらないものがあるということでしょうか。
国のやることは上手くいかず、ますます国民や企業に要求することが増えているように感じます。それに加えて、口ばかりが達者になるようではますます信頼が揺らいでいくのでしょう。
国が差し出すグラスに入った飲み物をだまって飲む人がいるのでしょうか。それでは何も前に進むことはないのでしょう。
「参考文書」
マッキンゼー 「最後は言葉で勝負」忘れえぬ村上春樹の1冊 | 日経BOOKプラス