Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

過熱する返礼品競争、値上げというしわ寄せ、ふるさと納税の功罪

販売累計6万個以上のヒットを記録している鉄フライパンがあるそうです。大阪府八尾市にある小さな町工場 藤田金属製だといいます。

鉄フライパン売上げ6万個超。町工場「藤田金属」奇跡の復活劇 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

スライドで簡単に着脱できる木製ハンドルと、外周にある幅広いリム(ふち)が特徴の『フライパン ジュウ』。鍋としても皿としても使える利便性とデザイン性の高さが話題となり、SNSから人気に火がついた。(出所:Forbes)

 この製品はふるさと納税経由でも購入することができるといいます。

 

 

 ふるさと納税を介して、地域の企業を応援できる、心温まるちょっといい話にも感じます。

ふるさと納税の何のため

 そのふるさと納税を巡って、総務省が10月から経費を寄付額の5割以内に収める規制の徹底を求め、自治体の中には、返礼品の内容を変えず寄付額を値上げしたり、質を下げたりして寄付者への還元縮小をするところもあったといいます。

ふるさと納税、一番得をしているのは誰? 寄付額の2割以上は業者に…「5割ルール」徹底で何が起きるか:東京新聞 TOKYO Web

外部業者への支出を減らさなければ自治体の財源減少だけでなく、寄付者へのしわ寄せも大きくなる。(出所:東京新聞

 NTTデータ経営研究所の試算で、2022年度のふるさと納税の総寄付額9654億円のうち、少なくとも2割超の2471億円が、仲介サイト手数料や証明書発送の委託費など外部事業者に支払われていたことがわかったそうです。

 外部への支出が多くなれば、地域活性化や子育てなどに充てる自治体の財源も減っていく.....。「ふるさと納税制度で一番得をしているのは、仲介サイトや委託業務を行う都市部の大手業者だ」とNTTデータは指摘し、「寄付金が地域外に流出しないよう工夫するべきだ」と話しているそうです。「自治体の自前作業や政府による共通の仲介サイト構築のほか、地元業者への委託変更など」を求めているといいます。

ふるさと納税」、都市部と地方の格差是正を目的に2008年に始まった制度で、生まれ育ったふるさとや応援したい自治体を選んで寄付することできるといいます。ここ最近は、返礼品競争が過熱、返礼品目当てで寄付先を選ぶ人も多くなっているといいます。

 

 

 仲介サイトがEコマースのようになっています。それによって、利便性は向上し快適な利用が実現されているのでしょう。しかし、民間によって運営されている以上、利を求めて競争が過熱していくのもまた道理ということではないでしょうか。

 これが官によって運営されていたなら、ここまで盛り上がることはなかったのかもしれませんし、返礼品を提供する地元企業が活性化することもなかったのでしょう。

 しかし、広告で競い合ったり、その内容が制度にそぐわないなど、過ぎることが目に付きます。仲介サイトがもう少し理知的になって公共性を重んじているのであれば、もう少し違った展開もあったのではないかと思います。

 いずれにせよ、原資は税金です。それを念頭におけば、その有効活用が求められるはずです。税金を元手にして民間が必要以上に多くの利益を企てるようになったら、制度を根本的に見直さなければならないような気がします。その時が近づいていることはないでしょうか。

 小さな正義を重視して、大切な税金が変な使い方をされたり、ムダつがいがあってはならないのでしょう。適宜制度を見直ししていくためには大きな正義を優先させなければならないときもあるのでしょう。