Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

国に成長戦略は必要なのか、戦略を封印し、優先課題を解決できないだろうか

 

 選挙結果が確定すると、この先どんな政策が実行されるのだろうかと予測が始まります。予測したところで、そんなに遠くない先には様々な施策が実行されるようになるのでしょうから、それを待つしかないような気がしますが、専門家たちの見立ても気になります。

「日銀総裁後任もアベノミクス」「補正は大型」-参院選大勝で識者 - Bloomberg

 暮らしに直結する経済政策では、アベノミクスに急激な変更はないとの意見が多いようです。ただ岸田首相はどちらかというと緊縮寄りだとして「公約以上のことはやらない」との分析もあるそうです。「補正予算は大型の経済対策になるだろう」が、バラマキ型の政策はやるべきではないという方向に行くのではないかとの識者の声があるといいます。緩やかでもいいので、政策転換していって欲しいものです。

 

 

  いつの間にか、国が成長戦略を提示することが慣例になっています。しかし、どの政権下で掲げられた成長戦略が実現することはなく、今日に至っています。

 この際、成長戦略は提示せずに、国の存在意義 パーパスを明示するほうがよいのではないかと感じたりします。その上で、まずは目先解決しなければならない課題を絞り、それに優先的に対処する方が、結果的には国を持続的な成長路線に回帰させることができるのではないでしょうか。

 物価対策としてのエネルギー問題に食料自給の問題、賃上げ、カーボンニュートラル目標の達成計画のフォローアップ、行政のデジタル化、今すぐに解決しなければならない大きな問題があるのに、目に見えた成果が上げつことができず、ずるずると先延ばしされていくのかもおかしな話です。

 見栄えはよいのかもしれませんが、実現できそうもない総花的な戦略を掲げ優先し、結局ばらまきに陥っているようでは元の木阿弥、何の解決に至らないということではないでしょうか。戦略を封印すべきなのかもしれません。

 FIT 固定価格買い取り制度に頼った再生可能エネルギー専業のレノバが事業の多角化を急いでいるそうです。FITに頼らない太陽光発電所を年度内にも稼働するほか、大型蓄電池の開発も進め、既存ビジネスからの脱却を目指しているといいます。

レノバ、事業多角化急ぐ FIT使わない太陽光や蓄電池: 日本経済新聞

 国のFIT政策の元、事業を拡大してきたレノバがようやくとの感も否めません。「なぜ蓄電池を始めるのですか」と日本経済新聞に問われたレノバの永井裕介執行役員CSOは、「再生エネの増加で電力系統が逼迫している実態がある。系統が原因で再生エネのさらなる稼働は難しい。(太陽光の増加で)電力市場の価格変動は激しさを増している。系統を強化する動きが広まっており、蓄電池の導入に向けて政府も制度支援を加速しようとしている分野だ」と答えています。

 自らの事業展望がきちんとできていれば、もう少し早い段階で対応ができたのではないでしょうか。政府の支援を待ってから動けば間違いは起きないのかもしれませんが、それでは問題が起きてからの対応にしかならないのではないでしょう。

 

 

レノバは「FIT依存」からの脱却を目指すと日本経済新聞は指摘します。

FITの売電価格の低下や大規模開発に向く土地の減少で市場は縮小しているが、需要家に電力を売るコーポレートPPA(電力購入契約)などで市場は再び伸びるはずだ。小さい土地はまだ多く残っており、(電力を全て再生エネで賄うことを目指す国際的な企業連合)『RE100』の加盟企業などを中心に裾野は広がる。(出所:日本経済新聞

 今さらの感が否めません。数年前から「RE100」への加盟が世界的な潮流となり、多くの企業がコーポレートPPAによって電力調達するになっていました。日本においても遅ればせながら、それが主流になってからの参入との印象が拭えません。

 国の戦略にしろ計画にしろ、そうそううまく進むことはないのではないでしょう。なぜなら国がすべてを実行するのではなく、その実行は常に企業に委ねられているのですから。いつになったら悪習を断つことができるのか、問われている気がします。

 

「参考文書」

アングル:「アベノミクス」は終わらない、参院選後も継続見込む市場 | ロイター