Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

栄光を求めない英雄たちが存在する ~専門家会議の提言を読んでみて~

 

 米アマゾンの発表に驚く。「第2四半期は5年ぶり営業赤字も」とロイターが報じた。コロナで生活必需品の注文が増加、増収となっているが、営業利益が減じるという。

 ロイターによれば、コロナ対策としての「ソーシャルディスタンシング(社会的距離)」によって倉庫などでの作業効率が落ちたという。

ベゾスCEOは「通常の状況下なら、第2・四半期の営業利益は40億ドル程度、もしくはこれを超える水準になるはずだった。ただ、現在は通常の状況ではないアマゾンは顧客に商品を届け、従業員の安全を守るために40億ドル、もしくはこれ以上の額を新型ウイルス感染拡大に対応するための費用として振り向ける」と述べた。 (出所:ロイター)

 

 四半期利益を無くしてまで、従業員を守るという。生活必需品の供給を続けるという使命、そして、そこで働く従業員を守るとの姿勢。そのために40億ドルも投資することに狂気とも思えるが、それが当然のことと思っているのかもしれない。そうでなければ、世界最大の企業に成長することもなかったのだろう。

 

jp.reuters.com

 

 

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」があった。各報道機関が一斉にニュースを流す。内容はまちまちだ。みなが気にすることであろうところを切り出して報道する。誤謬を生み出したりはしないかと気になる。

 

PCR検査を絞っているのに、なぜ「新規感染者が減っている」と言えるのか?専門家会議が答えた。 | ハフポスト

 

 昨日5月1日、専門家会議メンバーの西浦氏は、基本再生産数と実効再生産数から行動制限8割を導き、根拠として説明していた。実効再生産数を1.0以下となるよう、行動を制限する人の割合を算出していた。

 

www.sankei.com

 

 ドイツでは、この実効再生産数が1.0を下回り、緩和措置に移行した。実効再生産数だけを見れば、ドイツより遥かに数字上では良好な結果とは言えそうだ。

 しかし、専門家会議は、ドイツとは異なる提言を行っている。提言内容の原文は厚生労働省のウェブページで確認できる。

 

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議

「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年 5 月 1 日)

 

 専門家会議の提言は、「6.おわり」で、以下文章を示す。

市民の皆様の行動変容へのご協力とご理解により、新規感染者数は緩やかに減少に転じつつあると判断している。しかし、

医療体制の逼迫は依然として続いている
専門家会議としては、直近のデータの収集・分析を行い、近日中に、再度、これまでの対策の評価等に係る詳細な分析を行うとともに、今後、求められることとなる対策の詳細を示すこととした。 (出所:厚生労働省ウェブサイト)

 

 また、添付資料には次のような記載がある。

 

 緊急事態宣言による行動変容の要請は、感染拡大を防ぎ、医療提供体制の崩壊を未然に防止することを目的としている

感染が一定範囲に抑えられており、医療提供体制が確保された地域については、対策の強度を一定程度緩め、感染拡大を予防する「新しい生活様式」へと移行し、効率的なクラスター対策により、新規感染者数の発生を一定以下にコントロールしていく。
並行して、医療提供体制のキャパシティを上げながら、再度、まん延が生じた場合は、「徹底した行動変容の要請」を講じる。 (出所:厚生労働省ウェブサイト)

 

ドイツと日本では医療体制が異なる。そうしたことも加味されているのであろうか。

 

jp.reuters.com

 

緩和に移行したドイツでは、「実効再生産数」が悪化し、1になったと発表、第2波を警告したという。

 

www.tokyo-np.co.jp

 

 

 

 また、様々議論が巻き起こるのかもしれない。そもそも論も出てくるかもしれない。

それでもコロナは存在し、感染拡大の機会を虎視眈々と狙っているのかもしれない。それが今ある現実なのであろう。

 そのコロナを封じ込めるため、元の暮らしを取り戻すため、コロナ治療に働く人々がいる。その使命感は崇高なもののような気がする。

 

www.afpbb.com

 

 AFPがアート作品に変化があると伝え、街中の作品を写真で紹介する。アーテイストたちの目には、今ある光景の中に何か美しさを見つけ出しているのかもしれない。

 

www.afpbb.com

 

アートとはそういうものなのであろうか。

美術手帖が、「Adobe(アドビ)が、猛威を振るう新型コロナウイルスの最前線で活動する医療、物流、販売などの従事者に敬意を表するため、世界中のアーティストやクリエイターとともに「#HonorHeroes」を立ち上げた」と伝える。

 

シェパード・フェアリーによる《Guts not Glory》(栄光ではなく気概)。医療従事者を描いたこの作品について、フェアリーは「献身的に医療を支えている数多くの医療従事者のひとりを描いたイラストレーション。

彼らの無私の慈愛と貢献はどんな時でも意義深いものであり、いまこの瞬間においてはとくに英雄的なものだといえる

「このもっとも苦しい時期にあって、栄光を追い求めるのではなく、私たちを守ることに身を挺する人々を称えたいと思った。不安や危機のさなかでも医療従事者が与えてくれる、安らげる暖かさと共感を、この作品から感じてほしい。」 (出所:美術手帖

 

bijutsutecho.com

 

 地球温暖化で水不足や水環境が悪化すれば、衛生環境も悪化、感染症が高まったりするのかもしれない。これから暑い夏に向かえば、熱中症も増加するかもしれない。そんなことを考えると、専門家会議の提言に耳を傾ける必要はある。

 

 何が正しいかは誰にもわからない。未知のウィルスであるし、未来を正しく予測できる人はどこにもいないのだから。それでも何かを選択する必要がありそうだ。

 

 次のマイルストーンは5月4日になった。

  

www.tokyo-np.co.jp

 

  今、私たちを守ってくれている人がいる。そうした人々をエッセンシャルワーカーという。改めて敬意と感謝を表したい。これからも他者を思いやる気持ちを大切にしていきたいと思った。

 

www.designstoriesinc.com

 

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