Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【サスティナビリティの伝え方】セブン&アイのペットボトル再利用の肌着に思うこと

 

 セブン&アイが、使用済ペットボトルを再利用した再生ポリエステル糸を使用した肌着を、2月12日から全国のイトーヨーカドーで発売を始めるとの発表があった。

 

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ペットボトル回収を始めてから5年の歳月

 再生されるポリエステル糸は、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルから作られたという。セブン&アイは、2015年12月からペットボトルの回収する実証実験をセブンイレブンで開始、2019年2月末までに、グループ全体で759台設置し、約8,900トンのペットボトルが回収してきたという。

 

 

【消費者】ペットボトル回収に参加、獲得したリサイクルポイントをnanacoポイントに交換、ポイントを電子マネーに交換してお買物 【ペットボトル自動回収機(イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート)】利用者にリサイクルポイントを発行、ペットボトルをその場で選別・減容処理 「ペットボトル自動回収機」から「物流会社」へ高効率の輸送をし、「リサイクル会社」へ。循環型リサイクル(資源を買い取って高度な技術で再生ペットボトル原料を製造)をし、「容器・飲料メーカー」にて再生製品の製造(再生原料を使った製品を製造・販売)。そしてペットボトルからペットボトルへ再生されます(再生製品の還流、資源の国内循環、プライベートブランド商品のパッケージ)。

(写真出所:セブン&アイ 「商品、原材料、エネルギーのムダのない利用

 

  こうして集められたペットボトルは、今まではPB商品のペットボトルや商品のパッケージに再生利用されていた。

 

 このペットボトルから再生されたポリエステル糸を、今回初めて肌着に使用したという。日本経済新聞は、その配合率を『インナー1枚当たりで再生ペットボトル8本分を使っており、再生ポリエステルが平均で2割以上含まれている』と伝える。

 

 地道にペットボトル回収活動を続けてきたことで、衣料品にも展開できるまでのペットボトルの量を確保できるようになったということであろうか。

  

 いい話ではないかと感じ、日本経済新聞の記事だけではなく、もう少し詳しく調べてみることにした。

 セブン&アイのWebページではこの再生ポリエステル糸が作られるまでの動画がアップされている。

 


GreenChallenge2050 ボディクーラー

 

 店頭で回収されたペットボトルが協栄産業でリペレット化され、東レに渡りに、再生ポリエステル糸になっていく。その先の紹介はないが、こうした動きが拡大すれば、サーキュラー・エコノミーへ一歩近づく。

 

セブン&アイのサステナビリティ

  さらに、調べてみれば、この他にも食品のトレーサビリティなど様々なサステナビリティにつながる活動を行っているようだ。

 

www.7andi.com

 

 こうした活動をどれだけの人が知っているのだろうか。

 

 

 

構造改革と出口戦略

 1月初め、セブン&アイのグループ会社イトーヨーカドーの業績発表があった。なかなか厳しい結果で、業績悪化と報じられる。

 2016年から店舗閉店や改装を伴う店舗構造改革を続け、2019年10月には、さらなる事業構造改革を実施すると発表した。この構造改革は、店舗政策、MD政策、組織改編、人員政策からなるという。なかなか出口が見えないようだ。

 

 セブン&アイのWebページを見てみれば、消費者の関心が高いサステナビリティエシカルSDGsにも熱心に取り組んでいるように見える。それなのに、消費者からは支持されないということなのだろうか。

 

顧客ロイヤルティ

 ニュース報道はとかくネガティブな内容が多い。企業のCSR活動内容がニュースになることは稀だ。

 企業はこうした活動をどう顧客に伝えているのであろうか。伝わらなければ、顧客ロイヤルティが維持できず、顧客離反してしまう。まして、ネガティブな報道が増えれば、その内容だけで企業イメージが形成されていく。ネガティブな報道内容は、それはそれで事実かもしれないが。

 

 イトーヨーカ堂の肌着開発責任者、木原基博氏が今回発売されるペットボトルを再利用した肌着のことを説明する。

「コストは増すが、環境対応は社会的責務。環境意識の高い消費者のニーズにも応えられる」と日本経済新聞が報じる。

 

 セブン&アイは、CSR活動の一環として、 消費者の関心が高いSDGsサステナビリティに取り組む。一方で、サステナブルで、エシカルな商品を探し求める消費者が増えている。

 何かミスマッチが起きているような気がする。

  

 

 

まとめ 伝えるということ

 社会が変化している中で、企業の経営戦略もそれに合わせ変化していく。時代にあった広報や、宣伝を含めたマーケティング戦略が求められる。

 消費者は、企業のこうした活動のことをもっと知りたいだろうし、伝えて欲しいと思っていないだろうか。

 伝えることも企業の社会的責務だと思う。まして、SDGsへの貢献が問われている時代である。企業と顧客が一緒になって行動しなければ、その目標達成はできない。

 消費者が思う「SDGsに貢献したい」と気持ちを理解して欲しいと思ってしまうし、それに応えることも企業の責務と思う。 

 

 

「参考文書」

www.7andi.com

www.nikkei.com

www.ryutsuu.biz

www.ryutsuu.biz