Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【脱炭素社会を目指しているのではないか】風力発電で動くガンダム、カーボンニュートラルに動く企業たち

 

 新電力のみんな電力が、横浜山下埠頭にあるバンダイナムコグループの「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA(ガンダムファクトリーヨコハマ)」に、横浜市⾵⼒発電所「ハマウィング」で発電した電力を供給することに合意し、今年5月から供給をはじめたという。

 実物大の全高18メートルの動くガンダムが、再生可能エネルギーで作動する、少しばかりうれしくなるニュースだ。

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(写真:みんな電力

 バンダイナムコグループも、CO2排出量の削減目標を設定し、その削減に努めてきたという。2020年度のグループ全体の排出量は2013年度対比約29%の削減となる52,256t-CO2となったそうだ。2021年4月には脱炭素化社会に向けた目標として、2050年までに社屋、自社工場、直営アミューズメント施設等自社拠点におけるエネルギー由来の二酸化炭素排出量 実質ゼロを掲げ、目標達成に向けた取り組みを推進しているそうだ。

 

 

 国がカーボンニュートラル宣言を行ったことで、こうした企業による取り組みが加速している。

 日立製作所も、2050年度までに自社だけでなく取引先などを含むバリューチェーン全体で二酸化炭素排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラル目標を発表した。取引する約3万社の中で調達額などを加味し約800社を選定、目標達成に向け計画を策定するそうだ。

日立、バリューチェーン全体でCO2実質ゼロへー取引先と計画策定へ - Bloomberg

19年度のバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量約1億1000万トンのうち、9.2%が原材料・部品の調達といったサプライチェーンの上流、約87%が販売製品の使用や廃棄・リサイクルなどの下流から出たものだった。(出所:ブルームバーグ

 電波新聞によれば、脱炭素社会づくりに役立つ事業や技術の開発を推進、再生可能エネルギーで発電した電力を長距離でロスなく送電する取り組みに注力するとともに、エネルギー効率の高い高速鉄道車両などの提供にも取り組む方針という。

 日立の発表資料には、アップルのように残る二酸化炭素の排出分の相殺方法についての記載はないが、それでも、1億トン以上の二酸化炭素の排出を削減し相殺し、なおかつ成長を維持しようといていくのだろう。

 

 

 国内企業からはさまざまな環境目標が示されているが、排出量の多い製造業でバリューチェーン全体(自社の生産活動、調達、製品・サービスの使用など)のゼロ目標を出すのは珍しいとブルームバーグはいう。

 まだ産業界の一部かもしれないが、それでも脱炭素に向け動き始めている。

 政権が変わり、次の内閣が誕生すると、また、脱炭素政策が変わったりすることがあるのだろうか。

 脱炭素を是認しているのだろうけれども、候補者の中には、ロボットや半導体など、もう違う成長投資のことを言い出す人もいる。今の政権との違いを述べなければ、新しさがないと受け止めかねないからなのだろうか。

 しかし、それでいいのだろうか。今までと変わり映えのしない相変わらずの経済中心の発想ではなかろうか。それがムダを生み出し、気候危機につながったのではないであろうか。脱炭素を目指す社会にあって、そこで成り立つ経済社会を考えること、それを天命とすべきではなかろうか。

 日本も世界の中のひとつの国である。その世界も脱炭素社会を目指し、気候危機に挑戦している。しかし、まだそれに乗り切れない途上国がたくさんある。その中にはまだ日常的に電気を利用できない人たちさえいる。そうした人々を包含し、そしてその人々とともに持続的な成長路線を築いていくことがSDGsの精神にもかなうのではなかろうか。もうそろそろ目を覚ましてもらわなければいけない。