Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

化石燃料に依存する者たちの脱炭素

 

  東京ガスが千葉県のLNG液化天然ガスも基地でヤギによる除草の実証実験を始めたと聞くとほっとします。

ヤギが草食べ脱炭素 東京ガス「小さいことから」|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト

「小さいことから」、テレビ朝日によれば、ガソリンを燃料とする草刈り機で除草していたそうですが、ヤギが担うことでCO2を削減できるといいます。ガーガー音を立てる除草よりは見ていてもほのぼのできそうですが.....

 その東京ガスが、丸の内エリアで地域冷暖房プラントを運営する丸の内熱供給㈱に供給するガスを2021年11月1日より、全量カーボンニュートラル都市ガスにに切り替えるといいます。

カーボンニュートラル都市ガス」とは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺し、燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNGのことです。また、対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおいてCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したものだそうです。

 これによって、丸の内に供給される都市ガスの量年間約3,400万m3がカーボンニュートラルとなり、 相殺されるCO2削減量は年間約97,000tにも達するそうです。

 

 

 総合化学メーカの旭化成は、宮崎県延岡地区の工場群に電力を届ける水力発電所の改修を続けているといいます。

旭化成、電力調達を石炭から水力へ 3万㌧co2削減: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、旭化成は創業時から延岡地区の製造拠点に電力を供給するため、五ケ瀬川の流域に水力発電所を設け、9カ所の水力発電所が稼働しているそうで、その水力発電所を順次改修しているそうです。

最大出力は合計5万6380キロワットで、使用電力の3割以上をまかなっている。ただいずれも稼働から70年以上が経過し、大規模な改修が必要になっていた。順次大規模改修を進めており、今回が6カ所目になる。 (出所:日本経済新聞

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 その一方で、まだ脱炭素に二の足を踏むメーカもあるようです。

 INPEX国際石油開発帝石)が、足下高騰する原油価格を背景に業績が好調だそうです。INPEXは、国内外で石油・天然ガス等の権益を持つ大手石油開発企業です。

LNGで稼ぐINPEX 資源か脱炭素か、悩む投資先: 日本経済新聞

「収益性で劣る脱炭素事業への投資を急ぎ過ぎれば稼ぐ力が低下する。豊富な資金の使い道に悩む局面」と、日本経済新聞が指摘しています。

 二酸化炭素の排出源でもある石油や天然ガスもまだ必要なものだけに、急ブレーキも踏むわけにもいかないということなのでしょう。現実、中国では電力不足がおき、石炭火力で急場を凌がざるを得なくなっているようです。

 ただ、INPEXは、石油メジャーに比べ、脱炭素に対しやや距離を置くといいます。

 石油権益を減らし過ぎれば、稼ぐ力が低下し、将来的に脱炭素シフトに回す原資が足りなくなる恐れがある。積み上がるキャッシュをいつ、脱炭素投資に大きく振り向けるのか、しばらくは資源開発の利潤と脱炭素に乗り遅れるリスクをてんびんにかける局面が続きそうと、日本経済新聞は指摘しています。

 

 

 悩ましい問題です。脱炭素を進めようと、何から何まで電化させようとすれば、電力需要が増え、今のままであれば化石燃料に頼らざる得ない部分が残ります。こうしたことが既得権益を擁護する動きになったりするのでしょうか。

 経産省が家庭用エアコンの省エネ性能の目標基準を15年ぶりに改正し、メーカーに最大で今よりも3割程度、消費電力を抑えるよう義務づける方針を決めたといいます。

 省エネ、節電が脱炭素には必要であることは言うまでもないことですが、こうした動きだけで十分なのでしょうか。

 政権が変わってまた、どこぞやの原発推進派が息を吹き返しているようです。

自民・甘利氏:原発30基再稼働が前提-2030年度の温室ガス削減目標 - Bloomberg

 ため息が出そうです。