株価指数を算出するMSCIが、ロシアとベラルーシのESG格付けの引き下げを発表したという。ロシアによる戦争が理由だという。
MSCI、ロシアとベラルーシのESG格付けを引き下げ | ロイター
戦争が「ESG」に反するとは言うまでもないことなのだろう。今のロシアと誰が積極的にビジネスしようと考えるのだろうか。あまりにリスクが大きい過ぎるのだろう。制裁によって、ロシアは外の世界と切り離されつつあるようだ。
日常が遠ざかるロシア
グローバルブランドの企業が次々と、ロシア関連の事業を見直し始め、日本でもトヨタやホンダも動きを見せている。ロシア国民への影響も避け得なくなってきた。こうした措置がロシア国民にどう受け止められるのだろうか。情報が正確に伝わって欲しい。
アップルやボーイングなど国際企業、ロシア事業を見直し ウクライナ侵攻で - BBCニュース
BBCによれば、米アップルは、ウクライナ侵攻に「深い懸念」を抱いており、「暴力行為の結果として被害を受けている」人々を応援していると表明したという。
また、米エクソンモービルは声明で、「ウクライナの領土保全を侵害し、同国民を危険にさらすロシアの軍事行動を遺憾に思う」と表明しているという。
トヨタは以下のように発表した。
ロシア事業(現地生産・車両輸入)について | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
トヨタは、世界中の皆様と同じようにウクライナの人々の安全を憂いており、一刻も早く平和で安全な世界が戻ることを願いながら、ウクライナ情勢を注視しています。
ウクライナとロシアで事業を行う企業として、私たちが何よりも優先していることは、すべての従業員、販売スタッフ、仕入先の皆様の安心と安全です。今回、トヨタは、広く公正な視野で事態を見極めた上で、下記、必要な意思決定をいたしました。(出所:トヨタ自動車)
ウクライナトヨタは2月24日をもってすべての事業活動を停止し、ロシアトヨタでは、供給問題により、3月4日より当面の間、サンクトペテルブルク工場での稼働及び完成車の輸入を停止するという。
トヨタによれば、販売・サービス拠点はロシア国内に168拠点あり、サンクトペテルブルク工場では、ロシア市場向けのRAV4とCamryを生産しているという。現地スタッフにはどう伝えるのだろうか。
エネルギーの安定供給
岸田首相が、石油メジャーの英シェルが撤退すると発表したロシア極東サハリンの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」について言及、参加している日本企業について「民間企業として今後の状況を注視しながら自らの対応を考えていかなければならない」と述べたという。
サハリン2参画企業、民間として自ら対応考えねばならない-岸田首相 - Bloomberg
ロシアと経済分野の協力に関する政府事業は当分見合わせること基本に対応-エネルギー安定供給や人道上の配慮には留意。新たな経済分野の協力を進めていく状況にはない。(出所:ブルームバーグ)
このプロジェクトには、日本から三井物産と三菱商事が参画しているという。続けようが続けまいが何らかの影響はあるのだろう。重い決断だろう。
一方、バイデン米大統領は、ロシア産石油・ガスの禁輸について、いかなる可能性も排除していないと言及しているという。
米、ロシア産石油・ガス禁輸の可能性排除せず 現時点では「逆効果」に | ロイター
ただ、ホワイトハウスのサキ報道官は、米政権はロシアの石油・ガス産業に制裁を科すことを検討しているが、「全ての影響を精査する必要がある」と述べているそうだ。
戦争反対
結局、戦争は罪なき人々までを巻き添えにする。イデオロギー対立という諍いはあっても、絶対に超えてはならない一線が戦争なのだろう。
岸田首相が、ウクライナからの避難民を日本に受け入れる考えを示しそうだ。まさか自分が戦時下にいると意識せざるを得ないことになるとは思っていなかった。
「参考文書」
ロシアの若者、ひそかな抗議 ウクライナ国境の町 写真9枚 国際ニュース:AFPBB News
ウクライナの避難民を受け入れへ、人道的観点から対応-岸田首相 - Bloomberg