Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

求められる猛暑対策、蚊による感染症の脅威、花王の新たな殺虫剤

 ここ2日ばかりは穏やかな気温ですが、明日からはまたもの凄い高温になるといいます。

 世界の平均気温が過去最高を記録するようになり、その後も記録を更新しています。世界の平均気温は10年ごとに0.2度以上も上昇し続けているそうです。気候変動の影響をまざまざと感じるようになりました。

温暖化、感染症の脅威

 米国では、マラリアデング熱が復活の兆しを見せているそうです。地球温暖化や急速な都市化等により蚊の生育環境が拡大していることが要因にあげられるといいます。こうした分布の拡大が様々な感染症を流行させる可能性もあるといいます。

気候変動で根絶された感染症が復活、米国でマラリアとデング熱の患者増加 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

これは人間の活動だけでなく、マラリアデング熱などさまざまな感染症を引き起こすウイルスの媒介となる蚊やダニといった動物の地理的分布にも影響を与えている。気候変動は米国では根絶されたとこれまで考えられていた特定の病気の復活を引き起こしている可能性が高い。(出所:Forbes)

 

 

殺虫剤に耐性を持つ蚊

 蚊を媒介とする感染予防には、蚊を駆除することが有効な手段とされてきましたが、近年、ピレスロイド類殺虫剤に耐性を持ち、死なない蚊が増加していることが東南アジアなどで確認されているそうです。

花王の新たな殺虫剤

 こうした中、花王が殺虫成分を使わずに蚊を飛べなくする駆除技術を開発したといいます。界面活性剤水溶液をミスト状にして蚊に噴霧するだけで、簡単に蚊を駆除できるそうです。

蚊を飛べなくして駆除 花王が新技術、商品化検討 | 共同通信

 蚊の羽や体の表面は水をはじき、雨でもぬれることなく、飛行ができ、水場で産卵・羽化することができるといいます。食器用洗剤などに使う界面活性剤入りの液体を噴霧すると、水をはじかなくなり、羽がぬれて飛べなくなることが明らかになったそうです。

 また、界面活性剤の濃度を高めれば、蚊の体表面にある酸素を取り込む穴をふさいで駆除する効果も得られるといいます。

(資料:花王

 花王によれば、界面活性剤水溶液によって蚊がぬれるという性質を利用した殺虫方法は、ピレスロイド類による殺虫メカニズムとは全く異なり、蚊の生存に必須である「体が水をはじくという性質」を狙い、「蚊の体をぬらす」という物理的な殺虫方法は抵抗性を獲得しにくいと予測されるといいます。

 花王はこの技術の商品化を検討しているといいます。

 

 

猛暑対策、体を直接冷やすデバイス

 深刻化しそうな酷暑に対応するデバイスも登場してきています。体のケアも考えた方がよさそうです。

猛暑に立ち向かう、ソニーや富士通ゼネラルの冷却技術 | 日経クロステック(xTECH)

 猛暑対策に有効なのは「体をよく冷やすこと」。近年、首の回りに取り付けるウエアラブル型の冷房機器が登場しよく売れるようになってきたといいます。

(写真:ソニーグループ)

 ソニーは「REON POCKET」の販売を始め、今年の新商品は第4世代になるといいます。ペルチェ素子を搭載し、本体の接触面と体の一部を接触させて体の表面を冷やすことができるといいます。体へ固定するには専用ネックバンドを使用するか、専用のウエアが必要となるそうです。

 こうした技術やデバイスの開発も「気候変動への適応」のひとつということなのでしょう。さらなる研究やデバイス開発が求められていきそうです。

 

「参考文書」

花王 | 蚊の体表面に着目し、界面活性剤によって蚊の行動を制御 ~殺虫成分を使わずに蚊を駆除する新技術の開発~

耐性蚊の増加