Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

AI時代に、未だ石炭火力発電の議論、爆増する電力需要は乗り越えるられるか

 G7の気候・エネルギー・環境相会合で、二酸化炭素の排出削減対策がなされていない石炭火力発電を2035年までに段階的に廃止することで合意したといいます。

石炭火力廃止へ「埋まる外堀」 狭まる抜け道、G7で孤立する日本 [気候変動を考える]:朝日新聞デジタル

 解釈の余地を残した玉虫色とも言える合意内容になっているそうです。ただ廃止への圧力は強まる一方で、日本政府は強気の姿勢を崩さないが、G7の中では孤立しつつあるといいます。

今回の会合の閉幕後、経済産業省の担当者は、石炭とアンモニアを混焼し、排出削減を目指す技術や、発電効率を高めて排出を減らす「高効率石炭火力」などが「対策済み」にあたると改めて強調した。(出所:朝日新聞

 

 

 どうしてこんな発言が飛び出してくるのでしょうか。円安がとまらなくなっています。輸入に頼らなければならない化石燃料を早々に見切りをつければ、電気料金が高止まりしかねません。昨今の地政学リスクからしても安定供給の面からしても疑問が残ります。まして、これからはAIの時代といわれ、膨大な電力が必要になるといわれます。

今後、AIが引き起こす「電力戦争」 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

AIは電力を消費する。それも、想像以上に大量に消費する。世界はすぐに電力不足に陥るかもしれない。(出所:Forbes)

 データセンターなどが急増し爆発的な需要の中、米国は電力不足のリスクに直面しているそうです。この先、AIの時代は、より多くの電力が必要とし、誰もが信頼性が高く、手頃な価格の電力を求めるようになるといいます。

 無尽蔵な自然エネルギーの利用を拒む理由はないはずです。まして基本二酸化炭素を排出せず、一部企業を除けば、多くの企業が必要としているのですから。

 既得権益を守ろうとする日本政府の姿勢が脱炭素だけでなく、何においてもガラパゴス化を促進し、高コストで時代遅れなものを生み出しているのかなと思います。

 

 

蒸気船からジェット機への移行のようなものだ。適応しなければ、企業は急速に衰退する。都市や国も同様だ。過去50年間で世界がどれほど変化したかを考えてほしい。中国は生まれ変わった。東南アジアは好景気に沸いた。インド、中東、南米、そして今ではサハラ以南のアフリカの一部も同様だ。コミュニケーションはほとんどの人にとって即時かつ手頃な価格のものになった。資本は完璧ではないが、驚くほど上手くチャンスへと集まっている。さて、この50年間の変化が10年か20年に圧縮されたらどうだろう。これが今、私たちが足を踏み入れている世界だ。(出所:Forbes)

 政治改革をまともに、そしてスピード感をもって進めることができない日本政府に求めることがまちがいなのかもしれません。しかし、その巻添いを食らって社会の進歩が止まるようなことになれば一大事です。ピボットしていくためにも、もしかしたら政府を変えないといけないのかなと思います。意識も変わらずにこのままでは、世界からますます置いてけぼりになっていくだけのような気もします。

 

「参考文書」

日本は再エネ供給不足、企業ニーズ満たさずとアマゾン-化石燃料依存 - Bloomberg

「スジの悪い人間関係」の断捨離|山口周