IOC 国際オリンピック委員会が、冬季五輪・パラリンピック開催候補地を2030年はフランスアルプス地方、34年は米国ソルトレークシティーに絞り込んだそうです。また、38年大会はスイスと独占的に協議することになったそうです。
札幌オリンピック招致は事実上白紙に IOCと日本、蜜月終わる - 日本経済新聞
一時は30年の本命とみられた札幌市は東京五輪の汚職・談合事件の影響もあって急失速し、34年に仕切り直す道も早々に絶たれた。 (出所:日本経済新聞)
不幸中の幸いのような気もします。今の大阪・関西万博のゴタゴタを見ていると、とても適正に開催できそうには思えません。巨大イベントを運営する能力を失い、日本の実力が急速に低下していそうです。このまま信用を失い、世界からも見放されかねないのではないかと心配になります。
大阪・関西万博
開幕500日前、費用はすでに2倍近くに膨れ上がり、日本の納税者全員に飛び火している。参加国や企業にとっては、これは逆宣伝になりかねない。(出所:東洋経済オンライン)
問題を上げたらきりがないようです。「参加者のためのホテルの部屋不足」、「万博のためのスタッフ不足」、「夢洲への輸送の難しさ」……。
参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない | 建設・資材 | 東洋経済オンライン
「大阪万博は、妻に隈研吾の家を約束した夫が、口座に100万円しかないことに気づき、妻に言うのをためらっているようなものだ」、「日本は戦争に負けるとわかっていながら真珠湾を爆撃した。勝つためではなく、ベストを尽くすためだった。今回も同様のことが起きている。止めるべきだとわかっていても、誰も中止の責任を取る勇気がない」、外国人コンサルタントやロビイストたちがそうした声があげているそうです。
開催まで500日となった11月30日、入場チケットの前売り販売が始まったといいます。こちらの準備は万全のようですが、この状況下でどこま販売は伸びるのでしょうか。
Society5.0
大阪・関西万博の開催が決まり、テーマに「SDGs 持続可能な開発目標達成への貢献」「Society5.0の実現」などが上がり、万博会場がその展示場になることに期待したものです。
開催目的 | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト
「Society5.0」、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会と定義されています。IoT(物のインターネット)、AI(人工知能)、ロボティクス、ビッグデータ、バイオテクノロジーといった技術により様々な地球規模の課題が解決されていくといいます。
しかし、それとは裏腹に、次々と問題、課題が上がっています。これでは「Society5.0」が目指す人間中心の社会には近づいていきそうにありません。
大阪万博、500日前にこの状態で本当に開催できるのか(前編)「理念もマネジメント能力もない」という実動部隊 問題続きの背景に三つの構造的要因 | 47NEWS
時代が変化し、夢みた「Society5.0」はもうこの時代に合わなくなっているような気もしますし、その理想を推進する体制に問題を抱えているのかもしれません。高貴な目標もエゴが表面化すれば、もめごとが多くなってしまうのでしょう。
膨らみ続けて3187億円に…大阪万博に「身を切る改革」は必要ない? もっと膨らむことはないのか:東京新聞 TOKYO Web
政界が政治資金パーティー問題で揺れています。その影で裏金作りがあったのではないかとささやかれています。今の日本の病巣のような気もします。
万博開催までに問題が解決され、思い描いた通りの万博となるのでしょうか。
「参考文書」
30年フランス、34年ソルトレーク開催へ 札幌は38年も厳しく―冬季五輪:時事ドットコム
大阪万博開催まで"500日" チケット販売開始 - Impress Watch
「1970年大阪万博」に「全人口の半分以上」が来場したワケ(池上 彰) | 現代新書 | 講談社(1/3)
【初心者向け】Society 5.0を徹底解説!定義・技術・事例まで|ビジネスブログ|ソフトバンク