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熱狂のAIブーム、牽引するエヌビディア、AI半導体競争の幕開け

「AI 人工知能」が大ブームとなり、米半導体大手のエヌビディアが絶好調のようです。これを端にして日米欧の株価が爆上がりする熱狂ぶりです。

コラム:終わらないエヌビディア成長神話、企業価値さらに倍増も | ロイター

 AI関連市場の75%を握り、エヌビディアはこのブームに乗じる上で最も有利な立場にあるといいます。

エヌビディアの成長ストーリーは本物と言える。同社は売上高の11%を研究開発に振り向けて盤石な足場を維持しようとしているし、76%という粗利益率からは価格決定力の相当な強さがうかがえる。さらに配当さえ支払っており、創業者のジェンセン・フアン氏が慎重に資本を配分している様子が分かる。これらの優位性は非常に大きい。(出所:ロイター)

 

 

 こうしたブームにあやかろうと競争相手は必死に追いすがろうとするだろう。

 ソフトバンクグループの孫氏もその一人のようです。エヌビディア同様AIに不可欠な半導体を供給しようと検討を始めているそうです。

孫氏がAI半導体ベンチャー設立目指す、1000億ドル規模-関係者 - Bloomberg

 詳細はまだ明らかにされていませんが、その投資額は、最大1000億ドル 約15兆円で、マイクロソフトによるオープンAIへの投資額100億ドル余りを優にしのぐ規模といいます。

 グーグルにメタ、アマゾンなど米IT企業もAI半導体の自社開発しようとしています。マイクロソフトも同様に自社開発を進め、その製造には米半導体大手インテルが協力するようです。

マイクロソフト、自社設計半導体の生産でインテルの技術使用へ - Bloomberg

 こんな競争環境で、ソフトバンクGに勝ち筋はあるのでしょうか。一般的には先頭を走らなければ、この種の業界で生き残るは難しいといわれます。傘下のアームをうまく活用し、他社をあっと驚かせるようなイノベーションの仕掛けでもあるのでしょうか。もっと早くハードウェアの重要性に気づき、エヌビディアのようなAIアクセラレータ技術を独自に磨きかければよかったのかもしれません。今回の「イザナギ」プロジェクトもムダな骨折りにならなければよいのですが。

 

 

「生成AIでは、利益を生むよう開発を急ぐことと、人類を脅かすような開発を抑制することのバランスが問われている」と、米セールスフォース マーク・ベニオフCEOが訴えているそうです。

AI、暴走前にまずルールを 物言うCEOの訴え - 日本経済新聞

 生成AIなどAIの利用価値は高く、仕事も大きく変化していくことになりそうです。仕事の効率化が一段進み、生産性向上に役立ち、その結果、社会に大きな影響となっていくのでしょうか。現実、米国では雇用状況も変わりつつあるともいいます。

 こうしたことでかつて夢見た「週15時間も働けば食っていけるような社会」が実現すればいいのかもしれません。しかし、人は暇にに耐えきれず、余計なことをしでかすのではないかとの危惧もあるそうです。そうして、どうでもいい仕事を生み出すようになれば、ドットコムバブルの再来となりかねないのかもしれません。それもまた人ということなのかもしれませんが。

 

「参考文書」

エヌビディア売上高見通し、3.6兆円前後と予想上回る-株価11%上昇 - Bloomberg

メタ、AI半導体を独自開発 Googleなどに追随 - 日本経済新聞

ルネサス、AI半導体の処理性能16倍に 消費電力も削減 - 日本経済新聞

「生産性が上がっても、人間はなぜか暇にならない」 ベストセラー『読書大全』著者が読み解く、現代社会の課題 - ログミーBiz