Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

きっかけ  故 戸塚洋二(物理学者)に思う

戸塚洋二さんをご存知であろうか?

戸塚さん(ノーベル物理学賞受賞者・小柴昌俊の愛弟子の一人)の詳しい経歴は割愛しますが、ノーベル賞に一番近い男と言われながら、癌に侵されながら、自分自身の癌を科学しながら亡くなられた稀代の物理学者。 

なぜ戸塚さんのことを書こうかと思ったかというと、2009年7月にNHK放映された「物理学者 戸塚洋二 がんを見つめる」の記憶が鮮明にあり、戸塚さんの科学者魂なるものを感じ、その後の私の人生に影響あたえたシーンであったことを思い出したから。

 番組の詳細の記憶は残っていないが、この番組について書かれたいくつかのブログを参考にすると、番組内容は、「がん専門医も驚く病状の分析、近づく死への恐れなどをブログにつづっていた。がんを見つめた科学者の日々を追う」という内容だったという。

科学者らしく、自身の病気についても綿密に綴られており、転移した脳のCT画像を入手し、データ化したり分析したり。緻密に綴ることで、死の恐怖を克服しようとしていたのではないかと奥さんが語る。
ブログはさらに、病気についてのみならず、病気の進行にともなう心境の変化や研究の内容、さらには奥さんの育てられている花々のことにも触れられている。 出展:はるママさんのブログ 2009-07-17

  自分自身の今の心理状態を分析したいと思ったときに、ふとこの番組の中の戸塚さんのことが思い出され、自分も自分自身を科学できないかと思った。

 これは私の想像に過ぎないのですが、たぶん戸塚さんは、死に向かっていく自分を観察し続け、データ化することで、それが後の癌治療や脳科学の進歩に役立つと確信していたのではないであろうか。それは、自分の死を次の世代に託したということと思えてしまう。 

戸塚さんには遠く及ばないにしても、今ここに書いていることで、誰か人の役に立つのなら、これがきっかけで何か気づきにつながってくれればと思う。 

戸塚さんが語られた言葉より、

別の世界があるのかどうか、死ぬ時それを確認できる。しかし、それを伝える方法がないのは科学者として残念なことだ。』

死への恐怖を克服する方法を尋ねられた戸塚さんが、ブログの中で答えられた言葉より。
『よく人はしたり顔に、「残り少ない人生、日一日を充実して過ごすように」と、すぐできるようなことを言います。私のような平凡な人間に、このアドバイスを実行することは不可能です。「恐れ」の考えを避けるため、できる限りスムーズに時間が過ぎるよう普通の生活を送る努力をするくらいでしょうか。
 「努力」とつい書いてしまいました。ここにある私の「努力」は、見る、読む、聞く、書くに今までよりももう少し注意を注ぐ、見るときはちょっと凝視する、読むときは少し遅く読む、聞くときはもう少し注意を向ける、書くときはよい文章になるように、と言う意味です。これで案外時間がつぶれ、「恐れ」を排除することができます。この習慣ができると、時間を過ごすことにかなり充実感を覚えることができます。』

 出展:はるママさんのブログ 2009-07-17

 

 考えてみたら、その後ニュートリノ素粒子に興味をもったのも、戸塚洋二さんがきっかけでした。(かじる程度にネットで調べる程度でしたが。)

また、少しだけ興味があった大脳科学をもう少し勉強してみようと思ったきっかけも、もしかしたら戸塚さんの影響があったのではないかと今になって思う。

 

 現代ビジネス史を私の体験、経営学、哲学、宗教、大脳科学で系統的に解き明かしてみたいとの壮大な欲求にも影響があったかもしれません。壮大過ぎるテーマで、ライフワークと思っていますが。 

どんなことが、どんなきっかけになるかわからないものです。

  

戸塚さんの闘病記は、立花隆さんの対談という形で出版されているという。

読んだことがありませんでしたが、一度読んでみたいと思いました。

がんと闘った科学者の記録 (文春文庫)

がんと闘った科学者の記録 (文春文庫)

 

 

 

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(参考記事)

ひとりごと・・・はるママさん

m-haruka.blog.so-net.ne.jp

もっちりタイム

gurigetfree.com

【感動秘話】ノーベル物理学賞に残された「もう一枠」~梶田隆章さんが師と仰ぐ戸塚洋二氏の功績とは 週刊現代 2015.10.24

gendai.ismedia.jp