2016年の米大統領選挙で、クリントン氏が敗北宣言したとき、『最も高く硬いがいつか誰かが破る』とガラスの天井を破れなかったことに口惜しさを滲ませていた。
私が勤めていたシンガポールの職場のローカルのトップは女性だった。スタッフから絶対的に信用されていたし、組織をうまくマネージしていた。
一度、その彼女から注意を受けた。部下の女性に対する配慮のことだ。「もう少し配慮して」と言われた。それ以降、無意識にそのことを気にするようになったのかもしれない。その影響だったのだろう、シェリル・サンドバーグの「リーンイン」を書店で目にして、すぐに買った。「ガラスの天井」を意識したのはその頃かもしれない。
『英紙フィナンシャル・タイムズの編集長にルーラ・カラフ副編集長が来年1月に昇格する』と日本経済新聞が報じた。
シンガポールから帰任してから、ことあるたびに職場で女性登用のことを話したが、毎回否定されたことを思い出す。女性登用に積極的なユニクロ柳井さんの著書の影響もあってのことだったかもしれない。
英BBCが日本企業のおかしなルールを報道した。『いわゆるメガネ着用「禁止」が、企業の方針に基づくものなのか、社会的に受け入れられている慣習を反映したものなのかは不明だ』と指摘する。
男女平等が真に実現するときが来れば、こうした報道も減るのだろうか。
来年の米大統領選挙にクリントン氏が再度挑戦するのかに注目が集まっているようだ。前回の選挙で破ることができなかった「ガラスの天井」にもう一度挑戦して欲しいなんて思ってしまう。
そのアメリカ、サンフランシスコで活躍する日本女性たちをForbesが紹介する。
「夫がサンフランシスコで新しい挑戦していて、何か自分もやりたいけど、どうしたらいいかわからない、趣味の域を超えた才能を持っているけど生かす場がない。“異国の地だから”という理由で諦めることが簡単になっているように思えてしまい、それがただただもったいない、と。『もっと日本人女性も活躍してほしい』という願いも込めて、実は従業員はみんな日本人女性です。(出所:Forbes)
シェリル・サンドバーグのリーンインにこんなくだりがある。
ヤフーでは、玄関に一番近い駐車スペースを妊娠中の女性社員のために確保しているという。翌日、創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンに会うために、私は勢いよく、つまりよたよたと彼らのオフィスに乗り込んだ。(中略)さっそく、妊婦専用の駐車スペースを作るべきだと主張した。それも、今すぐに。セルゲイは私を見上げ、いままでそんなことを考えてもみなかったと言って、即座に同意してくれた。(出所:リーンイン シェリル・サンドバーグ著)

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: シェリル・サンドバーグ,川本裕子,村井章子
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日本人男性ばかりの職場より、多様性に満ちた職場のほうが刺激があって、仕事にもプラスになる。そんなことをシンガポールで学んだのかもしれない。 不寛容な社会より、寛容な社会になればと願うばかり。