Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

企業のSDGs意識調査と世界競争力 ランキングに関係はあるか

 

 コロナの全国での感染数が600人を超え、再び全国各地に発生が拡がり始めているのだろうか。自宅近くの小学校で児童が感染した聞く。やはり心配になる。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長もご苦労が多いことだろう。

 世界保健機関の西太平洋地域事務局長を務めたこともある尾身氏の個人的な見解が本音なのであろうが、分科会会長との立場になると表現を変えざるを得ないのかもしれない。

 政府は東京を除外したが、22日から「Go To キャンペーン」のトラベル事業を開始するようだ。

 

www.asahi.com

 

 

 

下落するばかりの競争力 = IMD 世界競争力ランキング

 6月、IMDが毎年恒例の「世界競争力ランキング」を公表した。

 こうしたランキング発表があると、必ずといっていいほど、順位が下落するか、低順位に甘んじるケースが多い。

 「世界競争力ランキング」も同様な結果だ。

 毎年順位を落とし、今年は34位、1997年以降で最低順位とだったという。1990年代はじめまでは首位を取っていたというのだから残念な結果といっていいのだろう。

 

「IMD World Competitiveness ranking 2020 Factors Ranking」

 

 東アジアでは、シンガポールが1位、香港5位、台湾11位、中国が20位、韓国は23位、マレーシア27位、タイ29位だったという。

 

日本の項目別ランキングは、「政府効率」と「ビジネス効率」が大きく足を引っ張っている。

「ビジネス効率」では、マネジメント慣行が63カ国中62位と下から2番目。生産性&効率も55位と下から9番目でかなり深刻な状況。

政府系金融61位と物価59位も極めて低い。企業の競争力にとって非常に需要な「姿勢&価値感」でも56位で非常に悪かった。 (出所:Sustainable Japan) 

 

sustainablejapan.jp

 

 日本経済新聞もランキング結果を分析する。

 起業環境や国際経験などが分野別で最下位になっており、「ビジネス効率」で足を引っ張っていると指摘する。

 一方、携帯ネット契約(1位)や環境技術関連(2位)とインフラ面では評価されたが、デジタル技術は62位だという。

新型コロナウイルスの対策で感染経路の調査は電話で聞き取り、給付金のネット申請でも障害が頻発するなどデジタル化の遅れを露呈」と日本経済新聞は指摘する。

 

新型コロナは企業活動に大きな打撃をもたらし、一般市民の働き方や消費など生活様式も大きく変えた。

一方、米中貿易戦争や地球温暖化など従来の課題も残ったままだ。

カボリス氏は危機を克服できる経済の弾力性、政府・個人の適応力、充実した医療保健システムの3つが国家の競争力の決め手になると指摘している。 (出所:日本経済新聞) 

 

www.nikkei.com

 

 こうしたランキングがすべてだという気はないが、現況を客観的にみるには何かの参考になるのでないであろうか。

 

 

 

企業のSDGs意識は = 帝国データバンクSDGs 企業の意識調査」

  帝国データバンクが「SDGsに関する企業の意識調査結果」を公表した。

 「SDGs に積極的な企業は 24.4%、一方で半数近くは認知しつつも取り組んでいない」という結果になっているという。

SDGs に取り組んでいる企業からは、「まずは男女平等で働きがいのある職場など、足元の環境づくりからはじめたい」といった前向きな声があがり、一方で、SDGs に取り組んでいない企業からは、「SDGs は大変意義のある重要なことだとは理解しているが、会社の売り上げや利益につながるのかがよく分からない」との声があると帝国データバンクは紹介する。

 

「付加価値を生むために取り組むテーマ」との質問には、ヒトに関連する内容と環境への配慮が目立つ結果になったという。

 

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(資料出所:帝国データバンク公式サイト)

 

企業からは、「従業員の『働きやすさ』と『やりがい』が業績や社員の収入にきちんとリンクして経営させる」 や「地域雇用を創出し、生活・経済の活性化を図る」などの声がみられる。

地産地消で全ての有機物も無駄をなくして完全循環型にすることで貢献する」や「再生エネルギーや自然を利用した資源を活用して自然環境と調和し、バランスがとれた経済活動を行う」 といった意見があがった。 (出所:帝国データバンク

  

www.tdb.co.jp

 

 この2つの結果を組み合わせてみると、何か弱さがみえてきていないだろうか。

 

「ヒト」 競争力は「ヒト」への配慮から

 帝国データバンクが紹介する企業の声は、「問題・課題」として認識しているが、まだできていないことでもあろう。世界競争力ランキングで指摘のあった「マネジメント慣行」に関わってくることではなかろうか。

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 「小さな会社ということもあり、持続的な成長として顧客、従業員満足度を高めることを第一に考えている」(紙製品卸売、群馬県)、

従業員満足度を上げることで、従業員が地域で貢献し、地球環境にも貢献できるように繋がっていければいい」(事業サービス、石川県)

 帝国データバンクは「ヒト」への注力に関する意見があげられていると指摘する。

 

 こうした「ヒト」への意識があれば、ウィズコロナの時代を乗り越えていくもできるのではと思うが、現実のマネジメントの現場では難しいことも多いということなのであろうか。

 

 

「関連文書」

www.imd.org