再生可能エネルギー電力を採用するケースが企業において増えてきているそうです。化石燃料の価格高騰などによる電気料金の上昇もあり、再生可能エネルギーに割安感が生まれ、また再生可能エネルギーを利用しやすい環境が整い始めた影響なのでしょうか。
低コスト、再エネ拡大の後押しに PPA導入相次ぐ: 日本経済新聞
予期できない電気料金の変動を避けようと、脱炭素を目先の課題としていなかった企業も、再生エネの導入を検討するようになった。(出所:日本経済新聞)
「再生エネの調達手法には一定の単価で長期にわたり供給を受けられるものもある。企業は電力コストを抑え、安定させられる点を評価している」と指摘する専門家の声を記事は紹介しています。
リコーは、事業所内に「初期費用0円」のオンサイトPPAを導入、また、セブン&アイ・ホールディングスは事業所内の設置場所の不足を解消しようと、「オフサイトPPA」を採用したといいます。
脱炭素だけではなく、利益拡大という視点からも再生エネ調達について考えてみてはどうかと記事はいいます。
不思議なことに思えてしまいます。環境対策となるとモチベーションがあがらず、そのポテンシャルを見落としてしまうのでしょうか。大事なことを見失っているように思えます。
有益な最新技術を見極めて、それを実装することで進歩が生まれます。最初から目が飛び出るような効果はなくても、継続的に改善に取り組むことで、効果が現れるものです。そして、それがやがて競争力の源泉になることもあるのでしょう。
SDGsとイノベーション
SDGsが国連で採択されて今年で丸8年になるといいます。2030年のゴールまで、約半分の月日が経過し、早くも折り返し地点にきているといいます。ランキングがすべてではないにしても、現在の日本のSDGsスコアは、163カ国中19位といいます。微妙なポジションです。
【8年目】「SDGsスコア」19位の日本。進捗状況をチェックする
順位がどんどん落ちて、良くない状況になってきている、大事なのはSDGsスコアの『モメンタム(勢いや方向性)』。かつて高かった日本の給与所得額が30年横ばいで、順位を落としているのと同様に感じると、信州大学特任教授の夫馬賢治氏が指摘しています。
これこそが最大の問題。このままだと、2040年には50位以下になっていても不思議ではありません。(出所:Newspicks)
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の67番目には、『我々は、民間セクターに対し、持続可能な開発における課題解決のための創造性とイノベーションを発揮することを求める』と書かれてあるといいます。
今の経済モデルを根本から変え、課題解決をしていかなければならない、そして、その課題が解決され、社会実装し、普及が進んだなら、イノベーションが実現するのでしょう。時として、それが経済成長を促すことになるのかもしれません。
ただ常に自らイノベーションの先頭に立たずとも、それを最大限に利用することがあってもいいのではないでしょうか。それでも社会におけるイノベーションは進展するのだから。
多くのコンサルティングファームもSDGsに着目し、異口同音に、SDGsに必要なのは、現状を大きく変えるイノベーションといいます。これだけ多くの人が同じことを唱えれば、その環境も整ってくるのでしょう。あとはどれだけモチベーションを高められるということなのかもしれません。
コンサルティングファームも提言ばかりでなく、ビジネスをど返しにして、弱気ところに優先的に手を差し伸べれば、もしかして日本発のイノベーションが萌芽するのかもしれません。