Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

サステナビリティを考える 「サーキュラー・エコノミー」

 

 「サステナビリティ」は、日本語の持続可能性ということだが、抽象的で、何か漠然としている。具体的な事象に当てはまれば、もう少しわかりやすくなるのかもしれない。

 

 地球上に、ごみが溢れることになれば、人間ばかりでなく全ての生態系にとって、とても住みやすい環境とは言えない。無意識に捨てられていたモノで廃棄処分場が満杯になり、新たな埋立地を作り、またごみを捨て続ける。一方で、生活に必要なものは作り続けられ、また、新たなごみを発生させる。

 消費が増え続ければ、新しいものを作るための材料が必要となる。農作物、森林、水産資源、天然資源等々。消費する量よりも資源が多く供給されなけば、新たな生産はできない。行き過ぎた消費が続けば、資源の枯渇を生み、その一方で、地球はごみばかりになる。

 生活の豊かさを維持しつつ、消費のことを考えるのがサステナビリティ 持続可能性ということなのだろうか。

 

 

 

サーキュラー・エコノミー エレン・マッカーサーという女性のひらめき

 ある英国人女性が単独・無寄港でヨット世界一周航海を始めた。無寄港で世界一周するには、最初に積み込んだ分の食料など生活必需品で過ごすしかない。この航海で、彼女はあるひらめきを得たという。

 

「私たちは限りある資源に完全に依存している」

 

 彼女の名は、エレン・マッカーサー。後に、エレン・マッカーサー財団を創設し、サーキュラー・エコノミーを推進する。

 

 サーキュラー・エコノミーは、資源を節約し、今あるモノを有効活用しようとする。

 

www.ellenmacarthurfoundation.org

 

欧州で拡大するサーキュラー・エコノミー

 日本でも、資源の有効利用を考えて、省エネや3R活動(リデュース・リユース・リサイクル)が盛んだ。家電製品の省エネ性能は向上し、自動車の燃費も飛躍的に向上、有害物質も排出しなくなった。ごみはきちんと分別されるようになり、リサイクル率は向上した。二酸化炭素やごみの排出の抑制には役立ったのかもしれないが、画期的に減ることはない。

 

 ヨーロッパでは、サーキュラー・エコノミーを積極的に取り入れていると聞く。昨年、EUでは、使い捨てのプラスチック製容器などを禁止する法案が成立、今後加盟各国はそれぞれの国内で法制化し対応することになった。

 その影響あってのことか、日本でも今年7月にはレジ袋が有料化になる。EUと日本では何か違いがあるのだろうか。

 

 

 

「持続可能な生産」なくして、「持続可能な消費」はない

  今年は、サンマやイカが大不漁だった。暖冬のおかげで冬野菜は安くなったが、育ち過ぎて廃棄する野菜も多いと聞く。自動車や電力のために化石燃料を消費し続け、大量の二酸化炭素を排出、大気中の二酸化炭素濃度は上昇した。

 

  持続可能な社会と考えると、その裾野はあまりにも広すぎる。地球のこと、食べもののこと、森や海のこと、ごみはきちんとリサイクルされているのだろうか、どれも暮らしに関わることだけに関心はある。

 

 エレン・マッカーサー財団が進めるサーキュラー・エコノミーには多数のグローバル企業が賛同、「持続可能な生産」を目指しているという。

 

「持続可能な生産」なくして、「持続可能な消費」はない。

 

まず企業が持続可能な生産を行うシステムを作り、そして持続可能な消費を実施できる下地をつくり、消費者に促していく必要があると考えている。この点においては、持続可能な生産の方が、持続可能な消費よりも重要となる。企業が通常のやりかたで生産をしていて、消費者にだけ持続可能な消費を実施しろというのは正しい方法とは言えない。 (出所:一般社団法人 CSOネットワーク)

 

 古くからある産業ほど昔ながらのやり方に固執するのが常である。日本型の循環型経済だけでは、サステナビリティ、「持続可能な社会の実現」には少し道のりがあるのかもしれない。企業だけに変化を求めるのは無理があるのかもしれない。

 

 

 

 「参考文書」

www.csonj.org

 

f:id:dsupplying:20200124114643j:plain