「ポスト・サスティナブルの世界」との言葉が気になります。
「サステナビリティ」という言葉が広く一般にも知られるようになった、しかし、環境破壊が加速する昨今、この「サステナビリティ」という考えだけでは、問題の悪化を食い止めることができず、持続可能性の達成は難しいのではないかとの声が増えてきている、と「AMP」が指摘しています。
今後、サステナビリティに代わる言葉として、「リジェネレーション」や「ネットポジティブ」という考えが広がるのではないかといいます。
確かに、昨今では旅行業界も「サステナブル・ツーリズム」と言っています。流行り言葉になるのも如何なものかと思ったりもしますが、にわかファンを作らないと、何事も定着していかないともいうそうです。
経験を通して「持続可能性 サステナビリティ」を体感できればいいのかもしれません。
人類はこれまで無償の地球資源を使って、様々なモノを発明してきました。それによって生活は便利になりました。元々現地でしか食べられなかった食べ物や手に入りにくかった希少なものでさえ、冷蔵技術や物流の発展で、今では何でも買うこともできるようになりました。
しかし、その一方で、不要なものが大量に廃棄されるようになり、そうしたものが私たちの暮らしに悪影響を及ぼし始めるようになりました。
二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスはその例なのかもしれません。大量に物資を輸送すれば、それだけ二酸化炭素は排出されます。それが今までであったということでしょうか。こうしたことを背景に「ゼロ・エミッション」や「サスティナビリティ」が意識されるようになりました。
何かが定着し始まれば、より先駆的に取り組む活動も必要になるのでしょう。
廃棄されたものを再利用することができれば、新たに必要となる資源はその分だけ少なくすみます。
排出されるばかりで地球を暖めるだけであった二酸化炭素を資源にして、有効活用できれば、それは「サスティナビリティ」に大きく貢献しそうです。現実に、CCU(Carbon capture and utilization)として技術開発が進み、次世代燃料としての期待も高まります。また、「リジェネレーション」や「ネットポジティブ」につながりそうな気もします。
そしてもう既に、こうした言葉をキーワードにして、取り組み始めている企業もあります。
スターバックスもそんな企業のひとつなのかもしれません。
「事業運営を通じて、資源を使うより、生み出し、還元していく「リソースポジティブ」の実現を目指しています」とスターバックスはいいます。
スタバの数値目標が野心的なものとは言えそうにないように思います。しかし、千里の道も一歩から、パーパス、使命を掲げなければ、目標に近づくことはないのかもしれません。
新規投入する資源量よりも再利用を増やしていく、廃棄していたものを資源に変えていく。必要とする資源量を減らしていく。こうしたことで、「ネットポジティブ」に近づくのかもしれません。
スターバックスは6月21日、日本上陸25周年を記念して、さらなる成長への重要な取り組みを発表しました。
繰り返し使える「カップのシェアリングプログラム」の実証実験を、丸の内エリアの店舗で2021年秋よりスタート。
プラスチックカップを含む使い捨て容器の代わりに、リユースカップでドリンクを提供し、参加店舗での回収、委託先での洗浄を通して、リユースプラットフォームを構築します。地球資源に過度に頼らないサービスの在り方を追求し、使い捨てカップの使用量の削減につなげます。 (出所:スターバックス)
この他にも、6月23日からは、不用となったスターバックスのプラスチック製のタンブラー等を全国約500店舗で回収し、リサイクルにつなげる「タンブラー回収プログラム」を実施するそうです。回収したタンブラーはリサイクルして、新たな製品・資材の原料として活用し、商品は来年にもスターバックス店舗で販売する予定といいます(8月31日(火)まで)。
8月23日(月)からは、全国の店舗でフードロス削減のため、夜間の商品販売価格の値引きする新プログラムをスタートするそうです。これによりスターバックスの食品廃棄物の約15%を占める期限切れフードの廃棄量の削減を目指しますといいます。
また、9月からはフラペチーノ® のストローも紙ストローに切り替えるそうです。これによって、店舗での使い捨てストローはすべて紙製に変更となるそうです。
今すぐに大きな成果につながることはないのかもしれません。ただ、こうした取り組みを続けていかないとゴールに近づきません。そして、これらがスタバの日々の仕事のひとつでもあるのでしょう。