WMO 世界気象機関が、「2050年に世界で50億人以上の水の確保が困難になる恐れがある」との予測を発表したそうです。
2050年に50億人が水の確保困難に 世界気象機関 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
WMOの報告書によれば、地球上の水のうち使用可能な淡水はわずか0.5%で、過去20年間で地表水、地下水、雪や氷を含めて陸地に蓄えられている水の量が1年に1センチの割合で減少しているといいます。
南極とグリーンランドが、最も多くの水を失い、人口の多い低緯度地域の多くでも、大幅に水が減っているそうです。
AFPによれば、WMOのターラス事務局長が「気温の上昇は、世界的および地域的な降水量の変化をもたらし、降雨パターンや農耕期の変化にもつながり、食糧安全保障や人間の暮らし、健康に大きな影響を与える」と警告しているといいます。
米スターバックスは2018年、WWF 世界自然保護基金と共同で、炭素排出量、水使用量、埋め立て廃棄物の削減を実現する「Greener Store Framework」を開発しました。
米スタバによれば、このフレームワークを利用し、米国とカナダに2,300を超える「Greener Stores」が誕生し、2025年までに世界中で10,000の「Greener Stores」を新たに建築、または改装するという目標を立てているそうです。
この計画の推進にあたり、北米以でも展開が始まるといいます。
「Starbucks Greener Stores accelerate global movement towards a more sustainable future」(Starbucks)
北米で展開されている「Greener Stores」の店舗では、以前の店舗デザインと比較してエネルギー消費量を30%削減することができ、年間3万世帯以上の電力使用量に相当する電力を節電できるそうです。また、水に関しては様々なテクノロジーを利用することで、使用量を年間30%以上削減し、13億ガロン/年以上節水したといいます。その直営店の90%では、リサイクル、堆肥化、「Starbucks FoodShare」などで、廃棄物をごみとせず、循環利用しているそうです。
いよいよ、この取り組みが北米以外でも始まり、その新しい「GreenerStores」が上海にできるそうです。特に循環性に重点を置いた店舗になるといいます。
そして、この取り組みはさらに拡大し、来年には日本、英国、チリにもオープンするといいます。今から楽しみになります。
スタバのサプライチェーン グリーン化
スターバックスのこうした取り組みは店舗ばかりでなく、サプライチェーンにも及んでいます。
「ネットポジティブ」の活動においては、カーボンニュートラル グリーンコーヒーの実現を公約とし、そのグリーンコーヒー処理での水の使用量を2030年までに50%節約することを約束しています。また、コーヒーの焙煎においては、世界最大級のスターバックスのカーソンバレー焙煎工場と流通センター用に1メガワットの太陽光発電の設置を完了させたそうです。この太陽エネルギーは、焙煎工場と配送センターの電力のほぼ3分の1が提供できるといいます。
スタバは、何か画期的なアイデアや新しいテクノロジーを導入したわけではなく、今ある、そして、今できることを組合せ、「ネットポジティブ」という使命に向かって、行動を続けているようです。
大切なことは、目新しいものに飛びつくのではなく、今あることを融合、調和させることだったり、地球温暖化の抑制に役立つ目標をやり遂げようという強い意志なのかもしれません。環境保護団体 WWF 世界自然保護基金との協働はその現れのような気がします。