異常気象が発生しても驚かなくなるほど怖いことはないのかもしれません。相変わらず、今年も世界各地で異常気象が観測されているようです。
米カリフォルニアでは主要な貯水池における水位の低下によって、今夏、水力発電所を史上初めて閉鎖する事態に陥る可能性があるとCNNが報じています。
それによると、気候変動のため悪化する厳しい干ばつと記録的な熱波により、カリフォルニア州北部のオーロビル湖の水位が急激に減少していることが理由のようです。
昨年カリフォルニア州を熱波が襲い、デスバレーで54.4℃を記録しましたが、今年もまた熱波が襲っているようです。現地時間の17日(木)にはデスバレーで53℃の猛烈な暑さを観測したといいます。
アメリカで熱波続く デスバレーは気温53℃まで上昇 - ウェザーニュース
熱波が続くようだと水力発電に影響があるようです。CNNによれば、1967年の開設以来初めて、エドワード・ハイアット発電所の閉鎖を強いられる可能性があるといいます。
昨年、カリフォルニア州では計画停電が実施されたことを思い出します。今年も同じようなことが起きるのでしょうか。
中国広東省や雲南省でも5月、高温の日が続き、少雨で水力発電での発電量が低下、電力供給逼迫が起き、電力制限が実施されていたといいます。
広東省の電力制限、地域差あるも徐々に緩和(中国) | ビジネス短信 - ジェトロ
広東省などに進出する日系企業がその影響を受けていたそうです。6月に入ってからは降雨による水力発電量の回復などもあって、状況が好転しているといいますが、まだ予断を許さない状況だともいいます。
電力制限の背景には、コロナ禍から工業の回復が速かったことや、高温が続いたことも影響していたようです。
国内では、今夏、電力需給が多くの地域でここ数年で最も厳しくなると予想されていましたが、原子力発電所の再稼働や停止していた火力発電所の復旧によって改善する見通しとNHKが報じています。
夏の電力需給 原発再稼働や火力発電所の復旧で改善の見通し | 各地の原発 | NHKニュース
それによると、10年に1度程度の猛暑を想定した場合、本州と四国、九州では電力供給の余力を示す予備率が、安定供給に最低限必要な3%は上回るもののここ数年で最も厳しいとされていたといいます。
福井県にある関西電力・美浜原発3号機が今月中に再稼働することになったほか、トラブルで停止していた四国と東北の火力発電所で復旧のめどが立ったことなどから供給力が増える見込みとなりました。
その結果、最新の状況を反映したこの夏の予備率は、7月は本州、四国、九州で5%台から6%台に改善する見通しです。 (出所:NHK)
ほっとはできますが、原発に火力の再稼働と聞くと、それはそれでいいのかなと思ったりします。
再生可能エネルギーの早期の整備を望みますが、その建設には長い時間がかかってしまうのでしょうか。やはり足下では、節電、省エネが最善の策ということなのかもしれません。
国の6次エネルギー基本計画も遅れているようです。
「中長期のエネルギー政策の方向性を示すエネルギー基本計画の策定が難航している」と日本経済新聞が報じています。
日本経済新聞によると、2050年の脱炭素に向け原子力発電所の建て替えの是非などを巡り政府・与党内で意見が割れているためといいます。計画の原案を5月に示す案もあったそうですが、まだ提示されず策定は秋までの衆院選後になる可能性もあるとのことです。 気になります。
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