Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【増すばかりのリスク】厳しい電力需給に、アマゾンのデータセンター再エネ化は朗報か

 

 例年より早く沖縄が梅雨入りしたかと思えば、それに続くように九州南部も5月11日、平年より19日も早くに梅雨入りした。雨の季節の到来、今年の入梅は早くなるのだろうか。

これからの季節、 必ずと言っていいほどに大雨の被害が発生する。今までに経験したことのないような被害状況を目の当たりにして、気候変動の影響ということがようやく認知されるようになった。気候変動の緩和策「脱炭素」などに目が向くようになったが、その適応も同様に考えなければならない。仮に、脱炭素化が進んだとしても、今すぐに効果が現れることはないのだから。

 

 

 IPCC(気候変動による政府間パネル)による温暖化の影響を示すRCP2.6というシナリオでは、二酸化炭素排出量が2020年度以降減少に向かうのであれば、平均気温上昇は+1.6℃程度に抑えられ、平均海面上昇幅は43cm程度までに抑えられると予測する。

 早期の気候変動対応により、将来に与える負の影響を大幅に緩和できるという。脱炭素の議論は、将来に向けたものであって、今すぐ効果を期待してはいけないのだろう。

 この季節を迎えると、改めて足元のリスクのことを考えてしまう。昨年の猛暑や熊本県球磨川でおきた災害、一昨年の台風被害。

 そうした災害に向け国土強靭化も必要であろうが、それにも時間がかかる。結局、今年の夏も身の安全は、コロナ同様、自衛に頼らざるを得ないということになるのだろう。

 生活環境の悪化に行き場のない怒りが沸き上がりそうだが、誰かを責めたところであまり意味がない。気候変動もコロナも誰かに責任を転嫁できるようなことではないのだろう。合理的に考えれば、大切にすべきは自分自身ということなのかもしれない。

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 梶山経済産業相が14日の閣議後の記者会見で、「今夏の電力需給が全国的にここ数年で最も厳しくなるとの見通し」を明らかにしたという。

「近年、事業環境の悪化などで火力発電の休廃止が相次いでいる」。

脱炭素の流れなどから電力会社の火力発電所は縮小傾向で、電力の安定供給に支障が出やすい状況となっている。 (出所:日本経済新聞

www.nikkei.com

 日本経済新聞によれば、梶山大臣は対策の検討を指示したという。「電力会社などに供給力の確保を求め、産業界や家庭にも節電を呼びかける」という。

 米国カリフォルニアを熱波が襲い、計画停電が起きたことを思い出す。昨冬、国内ではLNG不足による電力需給が逼迫した。

 脱炭素に向けた将来のエネルギーミックスのあり方も重要であろうが、足元の安定供給も不可避だ。昨夏以上の猛暑がやってきたらと想像すると、心配にもなる。

 

 

 米アマゾンが、日本のデータセンター向けに再生可能エネルギーの調達を目的とした発電所の新設を検討していることが分かったと日本経済新聞が伝える。

 商社や電力会社と協議中で実現すれば、国内初のアマゾン専用の発電所になるそうだ。今後、アマゾンと再エネ事業者は建設運営費の負担を案件ごとに詰めるという。

www.nikkei.com

大型データセンターは1カ所で原子力発電所0.1基分の10万キロワットの電力を消費するとされる。

アマゾンは日本で7カ所にデータセンターを持ち、いくつかの拠点で今回の案件を含めた再生エネルギーを活用するもようだ。太陽光発電所の建設も大手を含めた電力会社などに持ちかけている。 (出所:日本経済新聞

 ようやくアマゾン動くということだろうか。埒が明かない日本国内に新風を吹かせて欲しいものだ。ただ、それでも整備には時間がかかるのだろう。

 しばらくリスクと隣り合わせの状態が続きそうだ。