九州北部の梅雨も明け、いよいよ真夏の到来です。今年初めて40℃超の「酷暑日」になる地点が出るかもしれないそうです。全国の気温予想を伝える画像には、38とか37とか信じられないような数字が並ぶのが日常になりました。
警告
世界各地を同時多発的に熱波が襲い、重大なリスクになっていると、IMF 国際通貨基金が警告を出しています。
欧州などの熱波といった異常気象や今年のエルニーニョ現象で農作物の収穫や労働環境に悪影響が及ぶ恐れがあると指摘。「異常気象の頻度が増えており、気候変動の根本原因への対処が特に急を要することは明らかだ。さらに多くの対応が必要だ」。(出所:ロイター)
異常気象、世界経済に重大なリスク 連携強化を=IMF | ロイター
日本においても同様なのでしょう。この高温では屋外での作業は危険過ぎます。ファン付き作業着が必需となり、首周りの暑熱対策も当たり前になりました、
梅雨に大雨となって雨量は多かったのかもしれませんが、このところの猛暑続きで、畑は水分不足となっていないかと心配になります。家の近くの畑の里芋の葉が赤茶けてきています。野菜の生育に影響はないのでしょうか。
気候学者の訴え
欧米の気候学者らによる研究チームが、地球温暖化がなければ7月の北米と欧州の熱波は事実上ありえないとする報告書を公表したそうです。
北米・欧州の熱波「温暖化の影響確実」 欧米研究チーム - 日本経済新聞
報告書によると、温暖化による気候変動で南欧で2.5度、北米で2度、中国で1度の気温上昇につながっていると指摘しているそうです。
石炭火力発電やガソリン車の使用などが気候変動の主因となっており、報告書は「化石燃料の燃焼を急いで止めない限り、このような現象は頻発し、世界はさらに暑く、長く続く熱波を経験する」と訴えた。(出所:日本経済新聞)
遅れる日本の対策
風力発電や太陽光発電、EV 電気自動車などのクリーン技術の導入によって、日本は2030年の温暖化ガス排出削減と2050年のカーボンニュートラル達成という目標を最も安価に達成できるというレポートをブルームバーグNEFがまとめたといいます。
風力・太陽光発電やEVが最も安価-日本の「ネットゼロ」達成で - Bloomberg
ブルームバーグらがまとめたデータによると、日本の現状は50年までのネットゼロ達成に向け30年までに必要とされる軌道から最も離れているといいます。
その日本の起動変動対策は特異で、「水素・アンモニア混焼や排出ガスからの二酸化炭素回収で、50年まで石炭火力発電とガス火力発電を延命させる」という移行戦略で、化石燃料からの脱却やクリーンエネルギーへの転換を進める他のG7諸国とは対照的といいます。
コストがかかる上、その進捗が他国より遅れているのでは少々寒すぎないかと感じます。
「東京や大阪のような需要の中心地と、北海道近海で期待される洋上風力発電や九州地方での太陽光発電のような再生可能エネルギー開発をつなぐことは、日本で再生可能エネルギーの可能性を最大限に引き出すために極めて重要」とブルームバーグは指摘し、そのためには、22-50年に4893億ドルの送電網投資が必要といいます。
文明国家
電力予備率が改善しこの夏は大規模停電は回避できる見込みですが、それでも政府は節電要請を続けます。一方、連日の危険な暑さが続き、熱中症対策では適切なエアコン使用が呼び掛けられています。
その裏で、石炭火力が電力需要を支え、その排出するCO2で温暖化に貢献していると考えると何とも言えない気分になります。
「気候にはグローバル感覚でしか対処できず、多国籍のアプローチが必要だ。各国が責任と資力に応じた取り組みを進める必要がある」とした。ただ、こうした目標の達成は容易ではない。(出所:ロイター)
日本が求められている国際協調の輪を打ち壊しているようにも聞こえます。これで文明国家といえるのか、そんな意見もあるようです。
このまま気温上昇が続けば、今回のような熱波到来の頻度が増していくそうです。いつまで耐えられるのでしょうか。