Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

目に余る企業不正、伸びるエシカル消費

 目に余るような日本企業の不正、不祥事の数々。電機に自動車、東京五輪のような大型イベント、今度は自動車整備工場に、損害保険。何を信用してよいのかわからなくなります。

 一方で、「エシカル消費」、これまで廃棄物でしかなかったものを「捨てずに生かす」という「エシカルな発想」がヒットを呼び込み、新たな金脈を生んでいるそうです。

[新連載]ホコリも酒かすも 「捨てずに生かす」がヒットのカギ:日経ビジネス電子版

 記事が紹介する「今治のホコリ」がエシカルか否かはよくわかりません。金儲けやいわゆる成長だけを目的にエシカル消費を拡大させようとするのはどうなのでしょうか。否定はしませんが、違和感を覚えます。ちょっと病的にも思えます。

 

 

「やらないこと」を主張するスーパーマーケット

 静岡県浜松市界隈で12店舗を展開する食品スーパー「クックマート」が地域で高い支持を得て、1店舗当たり平均約27億円の年商を稼いでいるそうです。

経営学者・楠木建氏も絶賛!店舗当たり年商約27億円を稼ぐ 「クックマート」の競争戦略 _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】

 このスーパーマーケットはちょっと風変わりで、「やらないこと」を明確にしているそうです。

「価格訴求のチラシがない」
「深夜営業しない」
「ポイントカードがない」
「クッキングサポート・レシピがない」
「大きな本部がない」・・・(出所:ダイヤモンド・チェーンストアオンライン)

 もしかしたら、こちらの方が「エシカル」に近いのではないかと思ったりします。

 こうした施策は経営学的にも合理的であるといいます。「経営戦略の要旨はフォーカスにある。裏を返せば『何をやらないか』をはっきりさせれば、顧客に対して他社との違いをはっきりと示すことができる」と、経営学者の楠木健氏が語っているそうです。

「ムダな紙のチラシをつくらない」とか、「深夜に煌々とムダに灯りをつけない」とか、効率を追求する方が、もしかしたらエシカルに近づいていくのでしょうか。 

 

 

児童労働に頼らないチョコ、ブラックサンダー

 あの「ブラックサンダー」が、カカオ原料を「児童労働に頼らないもの」にの100パーセント切り替えたといいます。

ブラックサンダーは子どもの味方、児童労働撤廃の取り組みを完了 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 はじまりは、有楽製菓の河合会長が、児童労働の実態を知ったことだったといいます。

「子どもの笑顔を生むお菓子が子どもの笑顔を搾取した原料から作られている」と心を痛め、カカオ原料の切り替えを開始した。(出所:Forbes)

www.yurakuseika.co.jp

「利益を得る」という結果は同じなのかもしれませんが、パーパス、その目的、動機によって、成果には大きな差が生まれるようです。目的が異なれば、たどるプロセスもまた異なることになるのでしょう。そこにエシカルか否かがあるのではないでしょうか。

 顧客からの支持も、パーパスとか、プロセスによって左右されるようになってきたということでしょうか。

 

「関連文書」

dsupplying.hatenablog.com

 

「参考文書」

子供に“甘くない”チョコにはNO 脱「児童労働」の値上げに好感:日経ビジネス電子版