Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

チョコレート会社の持続可能な調達活動 カカオに、パーム油

 

 7月の天候不順の影響で野菜が高騰している。

「夏にここまで値上がりするのは異例だ」と、農水省の担当者が指摘したと共同通信が伝える。

 8月後半には平年並みに戻るとの予測があるようだが、この酷暑の影響はないのだろうか。 

this.kiji.is

 

 スーパーで野菜を買う際には、まずは地元野菜のコーナーに行く。

 地産地消エシカル消費を意識してというよりは、新鮮、安いということが本音だろうか。

 たまに野菜をならべに来る農家さんとお会いすることがある。少し立ち話をしたりもする。顔が見えると安心感が増したりするのかもしれない。 

 

 

 買い物するときに、時々、サプライチェーンフェアトレードのことが気になったりすることがある。消費者庁が推奨するエシカル消費のひとつにあげる認証ラベルを見かけたりするときだ。

 エシカル消費が推奨されるようになって、メーカの対応はどうなっているのだろうかと思いつつも、今まであまり詳しく調べたことはない。

 色々問題視されることが多いパーム油やカカオ、コーヒーであるが、調べたことがあるのは、スタバのコーヒーとネスレのチョコくらいだった。

 

 JICAが立ち上げた「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」

JICA(国際協力機構)は、今年1月に「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」を設立し、ビジネスの力を活用したカカオ農家の課題解決を目指しているという。

このプラットフォームのスタートにあたり、児童労働の撤廃を目指す認定NPO法人ACEの白木朋子さんは次のように話したという。  

政府、企業、NGOなど、それぞれできることは違います。

森林破壊や児童労働など、大規模な問題を解決するためには、個々が強みを生かしあっていくことが必要なので、情報共有できる場(プラットフォーム)ができたことは価値があると思います。

また、日本はチョコレートの消費量が世界6位で国際的な影響力もあります。

今後、どうやって大きなインパクトを与えていくか考えていきたいですね。(出所:JICA公式サイト)

  

  2月には、チョコレート産業の持続可能性をテーマとしたシンポジウムが開かれ、食品メーカーや商社が取り組みを発表したとニュースイッチが伝える。 

 森永製菓はチョコレート1個が売れると1円をカカオ生産国の児童支援活動に寄付するキャンペーンを展開しているという。

 明治は、「日本の(カカオの)バイイングパワーは弱い」、「明治だけのパワーだと細い。JICAの力を借りて大きな取り組みをしたい」と、このシンポジウムで語ったという。 

newswitch.jp

 

 

農家を取り巻く環境を改善する「メイジ・カカオ・サポート」

  明治グループは、「サステナビリティ2026ビジョン」を策定し、サステナビリティ推進を最重要テーマの一つとして位置づける。本業を通してグループ理念を実践し、社会に必要とされる存在であり続けることこそ、社会的責任を果たすことであり、サステナビリティの基本と考えているという。

  2006年からは独自の「メイジ・カカオ・サポート」を開始し、カカオ生産国とのパートナーシップを深めているという。農家を取り巻く環境を改善することでカカオ豆生産を持続可能なものにしていくという活動だと明治は説明する。 

世界全体のチョコレート消費量が増えている一方で、近い将来、主原料であるカカオ豆の生産が追いつかなくなるかもしれないと言われています。

木が高齢化している、栽培に必要な苗木や肥料などが手に入りにくい、栽培技術に関する知識が周知されていないなど、カカオ農家を取り巻く環境には難しい問題があるのです。 (出所:明治公式サイト)

 

 2018年には、「カカオ調達ガイドライン」を制定し、生産国・地域における法令遵守、人権を尊重した適切な労働環境の確保、生態系の保全、人権・環境に配慮したカカオの調達活動に取り組んでいるという。 

www.meiji.com

 

求められるパーム油やカカオにおけるサステナブルな調達

 インドネシアやマレーシアなど熱帯地域で栽培される「アブラヤシ」(パームヤシとも呼ばれる)から採れる油「パーム油」の調達について、明治は、2018年に「パーム油調達ガイドライン」を制定し、取引先と協働で人権・環境に配慮した調達活動に取り組んでいるという。

 

 「フェアトレード」や「サスティナビリティ」に注目が集まれ集まるほど、サステナブルなカカオやパーム油の需要が高まり、調達が困難になるのだろう。

 そのために地道な現地農家の支援が欠かせないということであろうか。

 

 しかし、現実には様々な問題がありそうだ。

 パーム油における問題をWWFが報告する。

 パーム油は、食品ばかりでなく、洗剤などの原料にもなるたいへん重宝な原料。

 

 パーム油の生産がもたらす7つの問題

パーム油が、世界中で幅広く利用される一方で、その生産に伴う開発は、東南アジアの熱帯林破壊をもたらす主因として指摘されてきました。
また、熱帯林破壊だけでなく、火災や泥炭地開発がもたらす気候変動(地球温暖化)への影響、開発に伴う人権侵害、アブラヤシ農園での劣悪な労働環境など、パーム油の生産に関わる問題はどれも深刻なものばかりです。 (出所:WWF Japan公式サイト)

www.wwf.or.jp

 

 シンガポールに駐在していたとき、乾季になると、街が焦げ臭くなることがあった。ヘイズ(煙害)と呼ばれるインドネシア スマトラ島での焼き畑からの煙だと聞いた。そのときはまだアブラヤシによるものとは知らなかった。

 マレーシアの高速道路を走ると、大規模なアブラヤシ畑を見かける。山が切り拓かれる光景もよく目にした。アブラヤシ畑になると聞いたこともあった。「いいのかな」と多少疑問を感じながらも聞き流していた。

 

 何気なく使っている日用品についてもう少し調べてみたいと思う。

 

 「関連文書」 

dsupplying.hatenablog.com

 

dsupplying.hatenablog.com

 

「参考文書」

www.jica.go.jp

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