Up Cycle Circular’s diary

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パーム油最大の生産国インドネシアが輸出を禁止、なぜこんなときに

 

  慣行や慣習、秩序にルール、そういったものを自分の都合で勝手に変えてしまったら、ゆがみが生じる。それまで多少の軋みはあったのかもしれないが、正常運転できていたものさえ、異常をきたすことになるのだろう。

 そんなことが頻発するようになっていないだろうか。

 インドネシアが全ての食用油とその原材料の輸出を禁止すると、ジョコ大統領が発表したという。国内の供給不足に対応することが理由、これまでも輸出制限を行っていたが、禁止となれば、価格高騰が懸念される。

インドネシア、全ての食用油・原材料の輸出を禁止-28日から - Bloomberg

 ブルームバーグによると、輸出停止は28日に始まるという。インドネシア国内での不足が解消されたと政府が見なすまで続けられるそうだ。

 インドネシアは世界最大のパーム油生産国、パーム油の用途は幅広く食用油はもちろんのこと、食品や洗剤など様々なものに利用されている。ただでさえ高騰している植物油の調達に困難さが増す。在庫量を確認しながら、代替ソースを探さねばならず、インドネシアの対応次第では様々なモノのさらなる値上げが避けられそうにない。

 

 

 問題の多くは単独で解決するより、みなが協力、協調して解決を図るほうがよい。しかし、こうしたことに困難さが増しているようだ。

 問題を見過ごすことはできないが、火の粉を被るより、直接関与することを避けようとする。それでは傍観とは言わないないまでも、真の協力とはいえない。みずから犠牲を払うことにはためらいがあるのかもしれない。そんな姿を相手に見透かされてしまえば、勝手気ままな行動がますます増えてしまう。

 気候変動対策の問題やSDGsを例にしても、それは言えることなのだろう。協調し合うことが難しくなっていると感じずにはいられない。

 これまでの秩序が乱れているようだ。新たなルール作りが求められるが、なかなか前に進みそうにない。問題の解決は時にゆだねるしかないのだろうか。

 金融庁がESG(環境・社会・企業統治)関連の投資信託の監視を強めるという。重点的に監視する項目を5月中にもまとめ、資産運用会社に対して顧客への十分な説明などを求める方針という。

金融庁、名ばかりESG投資信託を抑止 顧客への説明要請へ: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、ESGの観点を強調する投信が増加するなか、実態を伴わない「グリーンウオッシュ」「ESGウオッシュ」が世界的に問題となっていることが理由のようだ。

 乱れた秩序にあって、監視を強化してESG投資が効力を発揮することはあるのだろうか。

 

 

 解決が困難な大きな問題は、問題を紐解き、細分化して、そのひとつひとつに丁寧に対処していかねばならない時がある。解決をあせりは禁物である。効率性ばかりを追い求めては解決できない問題もある。

 

「参考文書」

インドネシアのパーム油の輸出制限、国際市場にも影響(インドネシア) | ビジネス短信 - ジェトロ