Up Cycle Circular’s diary

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サイゼリヤの人気メニューも終了するほどの品薄、リサイクルPETの高騰も理由にして値上げするサントリー

 

 品薄に、終わらない値上げラッシュにただただ驚くばかりです。日本経済新聞によれば、手軽な価格でイタリア料理を提供するサイゼリヤが、豚肉や鶏肉を使った一部メニューの販売を、4月から全店で終了しているといいます。

タイ産鶏肉を使う「柔らかチキンのチーズ焼き」(500円)の提供を既に取りやめた。(出所:日本経済新聞

 記事によれば、新型コロナの感染再拡大などで、材料の調達が滞ったことを理由としているといいます。ハンバーグなど商品の一部で食材を国内調達するなどして対策を急いでいるそうです。

 

 

 サントリーが、清涼飲料水の一部商品を値上げするといいます。飲料の約6割に当たる計165商品の希望小売価格を、10月1日出荷分から約6~20%引き上げるそうです。

 コーヒー豆や砂糖などの価格高騰に、急激な円安進行が加わったことが理由といいます。

サントリー、飲料値上げ 10月から最大20%:時事ドットコム

 サントリーは、「世界的な需給ひっ迫、および昨今の円安の急激な進行を受けた原材料市況の高騰、リサイクルPETボトル等サステナビリティ取り組みに対するコスト上昇など、製造原価が大幅に悪化しており、企業努力だけでは吸収できるレベルを超えている」と、その理由を説明します。

 企業物価指数が上昇を続けているのだからやむなしなのかもしれませんが、もう少し企業努力できるところはないのでしょうか。20%の値上げとなれば、尋常ではありません。

「リサイクルPETボトル等サステナビリティ取り組みに対するコスト上昇」との説明が気がかりです。

サントリーグループ「プラスチック基本方針」 サントリーグループのサステナビリティ サントリー

 あえてそう説明せざるを得ない事情があるのでしょうか。エネルギー価格が恐ろしいほどに値上げとなっているので、それなりに事情は理解できますが、だからといって、それをそのまま受け入れるには抵抗感があります。何のためのリサイクルしているのか、何等かの目的があって、それを採用したはずです。ただ値上げをすればいいのではなく、目的を逸脱しないように対策するのが、なすべきことではないかと感じます。

 

 

 製造業の国内回帰が始まっているとの見方をブルームバーグが示しています。建材の受注が今年に入り前年比1割増となっていることが理由のようです。

製造業の国内回帰始まる、建材受注増加、人件費安が魅力-東製鉄 - Bloomberg

「国内回帰につながる状況ができていたところで円安になった」。

円が対ドルで約20年ぶりの安値水準にある中で国内の「人件費が安い」ことが国内回帰を後押ししているとみる。国内で海外よりも安く製品を製造できるようになるため、「円安は少なくとも製造業にとっては、戻ってくる人たちにとってはチャンス」だと強調した。(出所:ブルームバーグ

 こうした状況下で今後「国内生産の能力を増強する企業が増えてもおかしくない」と説明しています。一方、国内回帰の動きがどれぐらい浸透していくは、未知数なところもあるといいます。

 ただ、品薄、価格高騰という現状を鑑みれば、サプライチェーンの見直しは避け通れないはずです。現状のままでは、レジリエンスに乏しく、この状況が直ぐに好転することは望めず、そればかりでなく、再発の恐れがあるのではないでしょうか。

 できる限り廉価になるように、そして、安定的に調達できることが求められます。課題が多々あることはわかりますが、国内生産を検討してみる価値はありそうです。グローバル調達の長所を活かしつつ、国内にも生産拠点を持つことはできないのでしょうか。

 

「参考文書」

【阿鼻叫喚】サイゼリヤの定番人気メニューが突然消えた…! 復活の可能性をサイゼに聞いてみた結果… | ロケットニュース24

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