国の後押しもあって、脱炭素やデジタル、スタートアップなどが今注目すべき対象なのでしょうか。そうした雰囲気が出来上がると、人の世の常、そこには多くの人たちが群がり始めます。銀行までが、再生可能エネルギーの発電事業に参入する例もあるといいます。
常陽銀行、再エネ発電に参入 脱炭素推進へ新会社: 日本経済新聞
後から市場に参入するのであれば、競争力を有していなければ、その厳しい中で生き残っていくのは厳しいことなのかもしれません。
常陽銀行は、地域の脱炭素を後押しするそうです。理念は良いのでしょうが、具体的にどんなビジネスモデルになるのでしょうか。大企業が先行しているとはいえども、市場を地域に限定すれば、まだビジネスチャンスはあるのかもしれません。
ただこの先も太陽電池の進化は続きそうです。軽薄短小化が進み、高効率化も進みそうです。また、この先は廃棄される太陽光パネルも増えることが危惧されています。そうしたことを考慮しつつ、地場産業化できればいいのかもしれません。
スタートアップが増加し、様々なビジネスに挑戦しはじめる人が増えていそうです。「地球を終わらせない」という高い理念を掲げ、代替肉に挑戦する「ネクストミーツ」をForbes が紹介しています。
「地球を終わらせない」代替肉開発 フードテックで救う食の未来|#U30と考える | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
創業時に掲げた理念も、時として時間経過とともに陳腐なものになってしまうこともあるのではないでしょうか。それまでの価値観や当たり前であったことが、国際情勢の突如の変化で大きく変わってしまうこともあります。
現実的な差し迫った食糧危機が危惧されるようになり、世界各国が食を含めて経済の安全保障を意識するようになっています。環境負荷の高い食肉を代替肉に置き換えていこうとする試みの前に、経済の安全保障が障壁になることはないのでしょうか。大豆など植物性の素材を安価に、安定的に調達、確保することはできるのか、少々気になります。
代替肉に取り組むスタートアップが、ひとつの産業に成長することはあるのでしょうか。代替肉が食文化のひとつとなって定着するのでしょうか。楽しみであると同時に、その多難さを憂慮したりします。
農水省の若手職員たちが、世界の米の主流である「長粒米」の国産化を探るプロジェクトが進め、国産米の需要を生み出そうとしているといいます。
長粒米 創れ!国産の新潮流 本場超えの香り手応え 農水省若手職員、海外で販売実証へ / 日本農業新聞
「長粒米」は、国内で食されるお米「短粒米」と異なり香りが強く、また食感も全く異なります。米の輸出拡大が課題となる中、世界の米流通の多くを占める長粒種に可能性を見いだしたそうです。
ここ最近気になることはやはり地政学リスク。世界経済に大きな影響を及ぶ大国の行動如何によって情勢が一気に変化するようになっています。こうしたことを背景に「経済安全保障」がここ最近のキーワードになっているようです。
新型コロナが急拡大し始めたころには、「国内生産への回帰」や「食料自給」が意識されましたが、その後の改善でやや意識が薄れたのかもしれません。当時とは状況は異なりますが、もう一度意識すべきではないかと感じるようになってきました。
SDGsや脱炭素に取り組むことはいいことなのでしょうが、「経済安全保障」を忘れてはならなくなっているようです。
「参考文書」
先行き不透明だからこそ 羅針盤となる未来を探ろう|日経BP 総合研究所