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卵の高騰、品薄、なか卯は親子丼を値下げ、なぜ実現できるのか

 

 卵の歴史的な高騰が続く中、なか卯が主力商品の「親子丼」を40円値下げしました。

 原材料高や円安を受けて外食チェーンの値上げが続く中、あえて主力商品の値下げで消費者の節約志向の取り込みを狙いといいます。

なか卯は値下げ 親子丼を40円下げ450円に - 日本経済新聞

 記事によれば、「多様なルートで鶏卵を調達している。値下げによる客数増でコスト増を吸収する」となか卯は説明しているそうです。

なぜなか卯は値下げしたのか

 一方、この値下げを「逆張り戦略」とし、PR 広報の切り口から東洋経済オンラインが解説しています。

「看板商品の親子丼をより多くのお客さまに楽しんでもらいたい」(出所:東洋経済オンライン)

 なか卯広報はそう説明したそうです。広報の言葉使いはあくまで「お客さまのため」になるが、これは「売上を増やしたい」との意図であると記事はいいます。

なか卯、「親子丼を40円値下げ」戦略の超したたか | 外食 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 なか卯も発表前にどのように広報するかを検討するのでしょう。記事の指摘は広報としてはごく当たり前のことのように感じます。

 逆になか卯の真意はどこにあるのでしょうか。

相次ぐ卵メニュー休止

 多くの飲食店で卵メニューを休止するようになっています。外食大手の3割に拡大 調達難の影響が深刻化しているといいます。「深刻な卵不足」「価格の高騰」を主な理由といいます。これを理由に値上げしても理解はされるのでしょう。しかし、それではあまりにも芸がありません。

(資料:帝国データバンク

節約志向、あえて低価格の商品を販売

  スーパーやコンビニに行くと、値上げが続いて食パンの中に、100円程度の食パンも並ぶようになっています。毎日の食材となれば、高騰の影響は大きく、つい安い方へと手伸びるのではないでしょうか。

 企業にとっても、値上げによって売上減になるくらいであれば、たとえ原価率が悪化しても、販売量を確保できる安価な商品を提供しようとするのは当然のように思えます。

限界利益と課題

 損益分岐点の考えに従えば、価格低下に伴って売上が減少すれば、より多く販売しなければ、限界利益を確保できません。逆に価格を低くすることで集客が見込め、損益分岐点以上の販売増になるのなら、値下げもこの時期には有効な策なのかもしれません。

 しかし、企業側は卵の確保と固定費の圧縮に継続的に取り組まなければならないのでしょう。調達の工夫とあらゆる工程における効率化、今であればデジタル化が求められることになるのでしょう。

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 なか卯の真意は定かではありませんが、記事が指摘するような「逆張り」で一儲けしようとの魂胆ではないと思いたいです。このご時世だから、客を思って値下げに挑戦している、であって欲しいものです。

 

「参考文書」

「卵メニュー」休止、外食大手の3割に拡大 調達難の影響深刻化 卵高騰で代替商品の提供など対応急ぐ|TDBのプレスリリース