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値上げラッシュと小麦の高騰、お米は小麦の代替になるのか

 

 小麦が高騰し、値上げラッシュ、何から何まで値上げとなっています。そんな中、お米が注目が集まっているといいます。

 岸田首相も先日の記者会見で、「国産の米や米粉、国産小麦への切り替えを支援する」とも話し、また、小麦の政府の売り渡し価格については「9月まで急騰する前の水準に据え置く」と述べたといいます。

 一方、タイでは、お米の輸出が急増しているそうです。小麦の供給が減る見通しの中でで、代替穀物として需要が拡大しているといいます。

タイのコメ輸出が前年比3割増 ウクライナ巡り小麦代替: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、欧州や中東向けが好調といいます。需給の引き締まりで価格には上昇圧力がかかっているそうですが、タイバーツ安が輸出価格に割安感を与えているといいます。

 円安が定着しているのですから、日本からもお米や米粉の輸出をしてもよいのではないでしょうか。

 

 

 日本のお米はコロナ渦の影響もあって、だぶつき気味のようで、農水省によれば、3月末の全国の民間在庫は、出荷・販売段階の計で270万トンで、前年同月差+6万トンにとなっているといいます。

 また、小売業者向けの販売価格は前年同月比90.1%、中食・外食事業者等向けの販売価格は前年同月比92.8%となっているそうです。

 先日の首相の記者会見での言葉を受けてか、農水省が早速が様々な施策を始めるようです。

小麦の作付け団地化を推進 価格高騰緊急対策|JAcom 農業協同組合新聞

 まずは、秋にまく小麦を対象に水田の裏作を推進させるようです。

価格が高騰している輸入食品原材料を使用している食品製造業者に対して、国産小麦や米粉などへ原材料の切り替えや、価格転嫁に見合う付加価値の高い商品への転換などを支援する「輸入小麦等食品原材料価格高騰緊急対策事業」は100億円を措置する。(出所:JAcom)

 また、もっちり感のある米粉パンの開発や、輸入大豆から国産大豆の切り替えた食品開発なども支援するそうです。

 円安で食料品価格に恩恵はありませんが、逆にこれによって、高価になりがちな国産が魅力ある価格に見えることはあるのでしょうか。そんな商品開発につながればいいのかもしれません。また円安を利用して、タイのように輸出を拡大させていく手もあるのではないでしょうか。

 

 

 現下の状況は、コメ復権の好機と日本経済新聞は指摘し、コメ需要活性化に向けた新たな取り組みも生まれているといいます。

おコメの逆襲! 小麦高騰で代替需要狙え: 日本経済新聞

 日本経済新聞によると、うどんチェーンの丸亀製麺を展開するトリドールホールディングスは、香港発の「譚仔三哥(タムジャイ サムゴー)」の1号店を東京・新宿にオープンさせたといいます。米粉麺とスープを合わせた料理を提供するそうです。

 東南アジアでは米粉麺の種類も豊富にあって、また味付けも多彩です。日本でもそんな食文化が花開いてもいいのかもしれません。

(写真:トリドールホールディングス

 また、米粉パンを製造販売する亀田製菓は、ブランドを刷新し、統一ブランドとして展開することでシェア拡大を狙うそうです。ただ、食パンが税別420円と少しお高い値段になっているようです。もう一工夫あってもいいのかもしれません。

「パンでは小麦粉に加えて米粉を配合した製品が昨年の秋以降急激に増えている」と、日本経済新聞はいいます。ただ、米粉用米の需要量は21年度で4万トンあまりで、小麦粉の需要に遠く及ばないそうです。

約200~300グラムの家庭用の米粉商品を取り扱うスーパーも増えており、「家庭での調理の際の利用も広がっている。(出所:日本経済新聞

 米粉も小麦粉と同程度に価格が下がれば、小麦粉のように幅広い用途で使われるのかもしれません。

 

 

 危機が新たなビジネス機会を生み出してくれているようです。それこそ、最近よく耳にするようになった生産性を向上させ、デジタル化を進めば、競争力ある産業に成長するのではないでしょうか。

 今ある危機は世界共通です。市場を日本に限定することもないのかもしれません。

 

「参考文書」

輸入小麦価格「9月まで据え置き」 首相表明: 日本経済新聞

令和3年産米の契約・販売状況、民間在庫の推移及び米穀販売事業者における販売数量・販売価格の動向について(令和4年3月末現在):農林水産省

香港人気No.1※1ヌードルチェーン『譚仔三哥米線(タムジャイ サムゴー ミーシェン)』日本1号店新宿中央通り店のオープンは3月31日に決定!|株式会社 トリドールホールディングスのプレスリリース