Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

異常気象と食糧危機、食を巡る騒動、まだ危機ではないのかもしれませんが

 福島第1原発の処理水が海洋放出されてから1カ月が経過しました。依然中国は反発を続け、日本産水産物は禁輸となったままです。ホタテやナマコ、ウニなど大打撃を受ける一方で、「常磐もの」と呼ばれる福島県産の消費を後押しするムードが高まっているそうです。

福島産の魚「常磐もの」に応援の声 処理水放出1カ月、禁輸で豊洲に打撃【豊洲発 新鮮!魚の情報】:時事ドットコム

 怪我の功名ということなのでしょうか。中国による風評被害は想定外だったのでしょうが、想定していた福島県産は大きな被害とはなっていないようです。

 また、ホタテの他高級食材が中国に輸出できなくなったことで、豊洲市場では値崩れを起こしているといいます。高嶺の花となった食材がまた手頃な価格で国内に流通してもよさそうな気もします。

 

 

 極端な異常気象、尋常ではない海水温の上昇、この先の気候変動が心配になります。これに加え、国際情勢が変化、地政学リスクが高まり、経済安全保障なども取り沙汰されるようになりました。食の未来が心配になります。

 世界最大のコメ出荷国であるインドが、米を輸出禁止にしました。国内での米価を安定させる狙いといいますが、背景にはエルニーニョ現象が農作物の収穫に影響するとの懸念があるからといいます。

 こうした海外での事例を目の当たりにすると日本の農業の未来も気になります。

農家が8割減る日 「主食イモ」覚悟ある? - 日本経済新聞

食卓から国産の農作物が消えていく。民間の推計では2050年、国内の農業人口が現状より8割も減る。生産は激減、必要なカロリーを賄うためにイモが主食の時代がやってくるかもしれない。世界で人口が増える中、輸入頼みを続けられるか。飽食の意識を変える必要がある。(出所:日本経済新聞

 政府は、主要穀物の不作や輸入途絶などを考慮し、食料危機に対応するため新法の検討を加速させているそうです。有事に対応するには平時からの備えこそ重要、国内の生産基盤強化へ全力を挙げるべきと日本農業新聞はいいます。

[論説]食料危機への備え 生産基盤の強化を急げ / 日本農業新聞

 しかし、物価高騰の影響は農業に及び、生産コストの上昇は他の産業と同じであるにももかかわらず、価格転嫁は進まず、見合う価格にはなっていないといいます。農業を健全に続けられる環境整備が急務といいます。

 世界人口は増加を続けています、そこに気候変動や紛争など食料を巡るリスクが高まり続け、日本の食料供給はますます不安定になっています。こうした状況下にあって、有事法制だけで食料安全保障は成り立つことはないといいます。

 

 

 スマート農業、また農業を取り巻く環境における効率化支援など様々なビジネスがおこり農業を活発化させようとしているようです。

農産物流通をデジタル改革 新興勢が脱ファクス後押し - 日本経済新聞

 しかし、肝心要の就業者増にはなかなかつながっていかないのでしょうか。

 このままで、これまで以上に異常気象が頻発するようになり、農業被害が拡大するようになるのなら、安定した食糧供給は危うくなりそうです。

 この夏の猛暑でそれを経験しました。異常高温は野菜生産に影響し、品薄となって価格にも影響しました。まだ危機と呼ぶほどではないのかもしれませんが、このままでは遠くない将来に危機がやってきそうです。

【SDGs】気候変動に左右されない「食」の安定確保

 それはそれで価値ある者なのですが、SDGsっぽい取り組みはさておき、真に持続可能な農業を目指す時がやってきているように感じます。

 

「参考文書」

農業投資戦略の運用会社、「不安定な気候」巡るリスク管理を重要視 - Bloomberg