Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

激変する環境、気になる食の安全保障、進めたい農業の生産性向上

 遠い異国でまた新たな争いが起きています。事情あってのことなのでしょうが、混迷する国際情勢がさらに混沌としていきそうです。ヨーロッパの片隅での争いで食糧価格に影響が出たりしている中、さらなる重荷を背を合わせることになるのでしょうか。

顕在化する気候変動

 猛暑がおさまった途端に季節が一気に進み始めているようです。今日の冷たい雨が身にしみます。

 振り返ってみれば、今年の夏は記録づくめで、9月の平均気温も過去最高で、飛び抜けて高ったといいます。今年一年の平均気温も過去最高を更新しそうといいます。

日本の9月の気温は非常に稀な高温 地球の平均気温も過去最高に - ウェザーニュース

 この傾向は世界的にも同様で、9月の地球の平均気温は、これまでの記録を0.5℃更新し、過去最高になったそうです。WMO 世界気象機関も、2023年は観測史上最も暖かな年になるとの見通を示しているそうです。この世界的な高温は、今後の気候変動における一つの転換点になるのかもしれないといいます。

 

 

 こうした変わる環境を目の当たりにすると、食料安全保障が気になります。ただでさえ食料自給率が低下しており、先々が心配にもなります。

 国はスマート農業を推進、その対策のひとつにしているようですが、その実装はどこまで進んでいるのでしょうか。

スマート農業

 農機メーカも自動化などでスマート農業を推進、農業の生産性向上に役立てようとしているようですが、その実装にはまだ課題を多く残しているような印象を受けます。

クボタ・井関農機・ヤンマーが競う自動運転 国際展ルポ - 日本経済新聞

現状では米価が下落する状況で肥料や飼料、農薬の価格が上がっている。農家さんからすれば、これらは毎年買わなければいけない。そうなると『トラクターは来年でもいい』という発想になる。これが我々の売上高を不確定にしているのも事実だ。(出所:日本経済新聞

 農機メーカがいつまでも農機メーカという枠にとらわれていては、スマート農業が普及することもないのかもしれません。

 

 

ブラジルの農地再生

 ブラジルでは森林破壊せず、収穫を拡大させる農地再生が拡がっているそうです。

アングル:ブラジルで広がる農地再生、森林破壊せず収穫拡大 | ロイター

 肥沃な土地を求めて森林を切り拓かなくても、やせ細った土地の再生に取り組む農家が増えているといいます。

トウモロコシや豆類などを輪作し、牛を放牧してたい肥をまいて土壌を豊かにし、何年もかけてこの荒廃した牧草地を徐々に肥沃な土地に戻してきた。(出所:ロイター)

 こうした取り組みで、農地は乾季になっても青々となって、収穫量も化学肥料の使用を減らしても、着実に増えるようになったといいます。

 こうした事例をみると、日本の農機メーカにも発想の転換が求められていそうな気がします。世の流れから言えば、データ活用にAI 人工知能の積極導入なのかもしれません。それはそれで間違いであることはないのでしょうが、それだけではスマート農業を普及させ、規模を拡大させていくには不十分ということなのかもしれません。

 

 

 新たなサービス開発が求められていそうです。

 

「参考文書」

北海道鹿追町でキャベツ無人栽培 ヤンマーなど10年の集大成 - 日本経済新聞

クボタ、世界初の無人コメ収穫 農機の自動運転は遠隔操作も射程:日経ビジネス電子版

クボタ北尾裕一社長「トラクターなくなるかも」が示す危機感 - 日本経済新聞

ヤンマーアグリ社長「日本の農機、間違いなく大型化」 - 日本経済新聞

井関農機社長「農業、衰退産業でない」 世界の人口増で - 日本経済新聞