Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

広がる気候不安症、心配でたまらない、気候科学者も驚いた9月の暑さ

 今年9月の高温は何も日本だけではなく、世界において同様のようです。世界各地の9月の平均気温は産業革命前の水準より1.8℃も高かったそうです。気温上昇幅を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標を超えたといいます。

9月の暑さは「完全に常軌を逸していた」──言葉を失う気候科学者たち | WIRED.jp

「不安だ、心配でたまらない、狂気の沙汰だ……、ありとあらゆる大げさな言葉を使いたくなりますね」と、気候変動と闘う非営利組織Project Drawdownに所属するシニアサイエンティストのケイト・マーヴェルは言う。(出所: WIRED.jp)

 こうした言葉を借りなくても、そう感じる人が多かったのではないでしょうか。

 

 

気候不安症

 近年になって、気候変動がメンタルヘルスに及ぼす研究も始まっているそうです。アメリカ心理学会が2017年に公表した報告書によれば、「気候が徐々に長期にわたって変化すると、恐怖、怒り、無力感、徒労感などさまざまな感情が表面化する可能性がある」といいます。

広がる「気候不安症」 景気・少子化対策を阻む要因に - 日本経済新聞

 この9月の暑さを経験すると、いっていることを受け入れることができてしまいます。

「気候不安症」、こうした感情を指す用語だそうです。未来への不安や地球の将来についてどうすることもできないという感情を慢性的に抱いている状態だといいます。

 こうした感情が「気候変動に加担する罪悪感を背景に消費行動を抑制する」「将来について大きな不安と恐怖を感じ、子供を持たないことを選択する」といった行動を若年世代に助長させる可能性があるそうです。

いくら景気浮揚策を講じても、少子化対策を打ち出しても、気候変動への不安が取り除かれ、根本的なところで世の中の空気が変わらなければ、効果は上がらないことをこれらは示唆している。(出所:日本経済新聞

「死んだ地球ではビジネスは成り立たない」という環境保護家デービッド・ブラウワー氏の言葉を記事は紹介しています。

 それなのに政治はいざこざを起こし、地政学リスクを高めては、その対策に興じるばかりで、肝心な気候変動対策は遅れに遅れているようです。

 

 

 死にかけ危機に瀕している地球で、AIだのメタバースだのといって、マネーゲームに興ずる人たちもいます。その力を違う方向に向ければもう少し状況が変わっていくような気もします。 

これは孫の世代の話でも、ホッキョクグマの話でもありません。遠い世界の出来事ではなく、まさにいま、わたしたちの身に降りかかっていることなのです(出所: WIRED.jp)

 今年も多くの人が熱中症で命を落としました。また、多くの子どもたちが、エアコンがきかない高温下で学ばなければならないといいます。

貯蓄から投資へ、そしてGXへ

 国の政策やマイルストーンに従って、「GX:グリーントランスフォーメーション」や「脱炭素ビジネス」を進めることも大事なことなのでしょうが、それだけでは不十分なような気がします。

三井住友トラスト・ホールディングス・松本千賀子執行役員「技術革新を支援し、脱炭素を進める」 | 日経ESG

日本の課題として、個人の貯蓄が眠ったままで投資に回らず、資本市場が循環していない点が挙げられ、総額は2000兆〜3000兆円ともいわれています。資本市場への投資で、脱炭素やグリーントランスフォーメーション(GX)の取り組みについて資金を還流させ、銀行が社会インフラとなって投資や融資の流れを形成する。我々はそうした銀行であるべきと考えています。(出所:日経ESG)

 政府要求には満点な回答なのかもしれません。それで気候変動の脅威から身を守ることができるのかなと感じます。もう少し人間味のあるビジネスに変えていく必要があるのではないでしょうか。

 

 

「参考文書」

100年前の夏はこんなに涼しかった…東京の気温を「見える化」したら 2023年の異例ぶりくっきり:東京新聞 TOKYO Web