貯蓄から投資へ、新NISAが来年1月から始まります。元本保証のない投資、経済動向に目を光らせていないと損失を被ることになりそうです。
うなぎ登りと思えた日経平均もここ最近は上値が重いようです。33,000円を突き抜けていくような雰囲気がありません。米国の長期金利や中東の地政学リスクの高まりが重荷として意識されていそうです。
貯蓄から投資へ、この政府の施策も、これによって日本経済が活性化し、それが国民の資産形成の一助となればというのが目論見なのでしょうが、期待通りに日本経済が成長していくことはあるのでしょうか。
経済成長率
IMF 国際通貨基金が経済見通しを公表し、2024年の世界の実質経済成長率を2.9%としたそうです。
IMF 世界経済の最新見通し “地域間の成長格差拡大” | NHK | 金融
世界貿易の低迷など低成長の影が色濃くなっており、IMFは5年後の成長率も3%前後にとどまると予測する。(出所:日本経済新聞)
高成長を続ける国がある一方で、成長しない国もあって低成長の3%ということなのでしょう。
日本の成長率は今年こそ2.0%と予測されていますが、来年には1.0%に鈍化すると分析されているといいます。米国の来年の成長率が1.5%と予測されていることからすれば、順当のような気もします。みなの注目を惹くような魅力なストーリーがあれば、米国以上に成長できることもあるのでしょうが、これといったものがないような気がします。
なお、中国は減速ぎみですが、それでも来年の成長は4.2%と見込んでいるといいます。
東証プライム市場
東証プライム市場から新たに177社がスタンダード市場に移行することになったといいます。東京証券取引所が昨年、上場基準を厳しくし、流通株式の時価総額を100億円以上としたことが理由のようです。
東証 プライム市場から新たに177社がスタンダード市場に移行 | NHK | 株価・為替
東京証券取引所は、最上位のプライム市場に競争力や成長性の高い企業を集めて国内外から投資を呼び込もうとしているといいます。現在プライム市場に上場する企業は、1600社余りで、まだ基準を満たさずにとどまっている企業が115社あるといいます。
また東証は上場企業各社に対し、資本収益性や市場評価の改善を求めている趣旨などを改めて周知する予定といいます。これに加え、その取り組みの開示をさらに促すため、開示企業リストを公表していくといいます。
東証、PBR改善対策の開示企業リストを年明け公表も-有識者が議論 - Bloomberg
経営の透明性が高まればいいのでしょうし、それによって企業経営が健全化し、なおかつ成長期待が高まれば株価にも好影響をおよぼすのかもしれません。
PBR1倍割れ
そういってもプライム市場にもPBR 株価純資産倍率1倍割れの企業があるようです。PBR1倍を割るということは、成長期待が低いということを意味するそうです。
大和ハウスがPBR1倍割れを反省 芳井社長が有報に「忸怩たる思い」:日経ビジネス電子版
SDGsに積極的に取り組んでいる印象がある大和ハウス工業が期待薄とみられているのも現実なのでしょう。まだまだ企業の取り組むが甘いということなのでしょうか。
日本の五大商社に投資するウォーレン・バフェット氏の次なる日本株の投資先候補として保険や銀行など金融株が有望だとの声が専門家の間で広がっているそうです。
バフェット氏の日本株投資次なる一手、ウオッチャーは「金融株」推し - Bloomberg
バフェット氏は、バリュエーションが低い企業を長期的に保有する投資スタイルで知られる。日本の保険株のPBRは1.1倍とTOPIXの1.5倍より低く、銀行株も0.7倍と割安感が強い。(出所:ブルームバーグ)
日銀の金融政策によって金利の先高観測が強まっていることを理由にしているようです。日銀がマイナス金利政策を解除し、利上げに動けば、それは金融株にとっては好材料になるの間違いないようです。総裁が交代した4月以降、銀行株は41%、保険株は34%ぞれぞれ上げているといいます。
政府は総花的なバラマキ政策に固執しているようなので、成長分野ばかりでなく、ほんとうは全産業において成長することを期待しているのでしょうか。しかし、市場や企業の実態からしてどうなのでしょうか。よくよく考えてから投資すべきなのかもしれません。
「参考文章」
2024年の世界経済、成長率3%割れ 深まる停滞感 - 日本経済新聞
東証大引け 日経平均続伸、米金利低下で 一時3万2000円上回る - 日本経済新聞