Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

市場が評価する米アマゾン、物流網再構築でインフレ下でも最高益

 米アマゾン・ドット・コムが、好調のようです。インフレ、金利上昇、中東情勢などビジネスに逆風が吹く中、四半期ベースで過去最高になったといいます。物流網の再構築が主力のインターネット通販を支え、インフレ下で新たな収益モデルが軌道に乗り、稼ぐ力が回復しているといいます。

アマゾンの売上高と利益、予想上回る-小売り部門や経費削減寄与 - Bloomberg

 中核事業であるオンラインストア売上高も市場予想を上回り、前年同期比7%増え、コスト削減努力が奏功したことも明確に示している業績だといいます。

 

 

ジャシーCEOは投資家との電話会見で、事業が安定しつつあると述べたといいます。また、生成AI(人工知能)需要は将来にわたって同部門の追い風になる可能性が高いとも述べたそうです。

 厳しい状況下でも、中核事業を盤石にさせ、その上で、次の成長のために新規事業への準備も怠らない、株価に好影響があるのもわかる気がします。

進化続ける物流倉庫、近づくヒト型ロボット活用

 その米アマゾンが強みの翌日配送を支えるロボット技術を磨いているそうです。米国の最新倉庫では多数の最新鋭ロボットが働き、研究拠点ではヒト型ロボットを活用する実験も始っているそうです。ネット通販の巨人のみならず、物流の巨人でもあるといいます。

Amazon、アメリカの最新倉庫にロボット5000台 ヒト型も実験 - 日本経済新聞

アマゾンの倉庫は人をできるだけ動かさない。商品を保管する棚入れや、出荷に向け棚から出す際にロボットが商品を作業員のもとに運ぶ仕組みをとる。注文を受けた商品が棚のどこにあるかや、棚から出した商品をどのコンテナに入れるべきかをシステムが人にわかりやすく指示する。(出所:日本経済新聞

 

 

「現状に満足していない」「協働ロボットを使い単調な作業を全て自動化したい」と、ロボット開発部門の技術トップはそう語っているといいます。また、自動化の徹底は人をロボットで置き換えるのではなく、自動化で生産性を高めながら雇用を生み出し続けられると語っているといいます。

 かつての日本の製造業で見られた、「現状を否定し、改善を続ける」というようなスピリットを感じます。これが巨大IT企業アマゾンの強みとなり、財産となり、それが卓越した収益をはじき出しているのでしょうか。

 アマゾンを追いかける日本のIT企業は、趣きが異なるようです。物流の生産性改善に努めていないとはいいませんが、そのモチベーションには差があるのでしょうか。

ZOZOが100億円投資した「秘密の倉庫」潜入。新拠点「ZOZOBASE」の3割省人化のリアル | Business Insider Japan

 巨大なモールを有するグループ企業全体ではもっともっとできることがあるようにも思います。まして株価が低迷し、PBRも低い状態であるのなら。

 2000兆円もの個人資産が動くことになるともいわれる新NISA制度。金融ばかりでなく、IT企業もそこに熱を上げ、ポイント経済圏の囲い込み、覇権争いが熾烈になっているようです。

変わる経営、変わらぬ経営 - 日本経済新聞

 利己的な視点をむき出しに、短期利益に向かって突っ走っているということでしょうか。

 

 

「参考文書」

米ハイテク「7強」、2000億ドルの時価総額吹き飛ぶ-決算が期待外れ - Bloomberg

Amazon、インフレで最高益 広告・物流で稼ぐ新モデル - 日本経済新聞