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@コスメがアマゾンを選んだ理由、巨大テックと国内プラットフォーマーはこんなに違うのか

 

 日本最大級の化粧品・美容総合サイト「@cosmeアットコスメ)」を運営するアイスタイルが米アマゾンと資本業務提携を締結したといいます。様々な見方をメディア各社が報じています。

アマゾン、アットコスメ運営のアイスタイルと資本業務提携…化粧品の実店舗連携も視野か : 読売新聞オンライン

アットコスメに集まる1800万件という国内最大級の化粧品の口コミ数、アットコスメとの協業で、競争が激しい化粧品販売で主導権を握りたい思惑がある」と日本経済新聞は報じ、読売新聞は、アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長の「コスメ・美容関連の買い物に革新をもたらし、利便性や満足度を高めていきたい」とコメントを紹介しています。

米アマゾンは7月以降、定額利用(サブスクリプション)型医療サービスを手がける「ワン・メディカル」やロボット掃除機「ルンバ」を生産する「アイロボット」の買収も相次いで発表した。

ネット通販や人工知能(AI)のノウハウを活用して、事業拡大に力を注ぐとみられている。(出所:読売新聞)

 

 

「なぜ、アマゾンを選んだのか」と、アットコスメの創業者兼CEOの吉松徹郎氏にNewspicksがインタビューしています。

【社長直撃】アットコスメ×アマゾン。資本提携の裏側を語る

Amazonとは、ユーザー起点という点で、他のプラットフォームよりも(われわれと)似ています。Amazonは常に「生活者中心」のスタンスで、いち早く商品を届けるために物流もやります。(出所:Newspicks)

 これに対し、Zホールディングスはインターネットの会社と、吉松CEOは指摘し、「インターネットの会社は、アセットを軽くして囲い込みをした上で、高い収益を得ることが大前提です」と話しています。

 的を得ているのではないでしょうか。

 アマゾンは人間中心のシステムを構築し、それを最適化しようと、日々改善に努めている。一方、「Z」は高い収益を得るためにシステムを構築し、口悪く言えば、人を利用する。囲い込み、自らの経済圏を作るためには人を集めなけなればならず、送料無料で誘ったり、それらしく勧誘しているのかもしれません。

 結果は同じ「収益」で評価され、見た目の手段もネットを利用で同じように見えますが、一方は顧客のためであり、もう一方は収益のためなのかもしれません。

 事業を海外展開できない理由もこういうところにあるのかもしれません。アマゾンは世界の顧客すべてのためにグローバルに事業を展開するが、もう一方、それなりに収益をあげられる国内事業に満足してしまうのかもしれません。

 

 

 巨大経済圏、エコシステムを持つ楽天グループの大手格付け会社S&Pによる長期発行体格付けが、引き下げ方向の「クレジット・ウオッチ」に指定されたといいます。

楽天グループを格下げ方向 携帯低迷でS&Pが見直し: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、携帯電話など非金融事業の業績改善が遅れ、財務内容が一段と悪化する可能性が高まっていると判断されたそうです。年内に大規模な資本調達ができないとS&Pが判断した場合、格付けを1段階引き下げる可能性が高いといいます。

 この記事にコメントした専門家は、「サービスシステムの基本は技術ではなく、その考え方である」と指摘、高齢化社会への配慮が足らないといいます。

 ネット関連ビジネスで、成長を望み、また事業が社会インフラに近いものであれば、国内人口構成比から言って高齢者を考慮にいれる必要があるのかもしれません。

 黎明期であれば、若者たちがその利用を牽引してくれるのでしょうが、シェアを争い、その多寡を問うのなら、よりシンプルにして利用しやすくすべきなのかもしれません。経済システムのど真ん中には常に人間がいるのでしょう。そうなれば世界展開も容易になるのかもしれません。

 

「参考文書」

アットコスメ、Amazonも引き寄せる口コミ経済圏: 日本経済新聞

生活者とブランドの出会いを アイスタイルの遠藤宗次期社長:時事ドットコム