Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

流行りのSDGs、増加するコンプラ違反倒産、不正が蔓延するようになった日本社会

 また粉飾決算で逮捕者が出たようです。東証スタンダード上場の衣料品卸会社「プロルート丸光」が架空の売り上げを計上したとして、前の社長ら3名が逮捕されたといいます。 

 SDGsにESG、パーパス経営にDX:デジタルによる変革、こうしたことが社会のあたり前になっているのであれば、企業経営が健全化し、企業は社会に貢献し、それを通して好業績を残し、成長していくはずなのでしょうが、どうにも現実は乖離しているようです。

コンプライアンス違反倒産が最多、コロナ禍の迅速融資の副作用 - 日本経済新聞

 まだまだ旧態依然のままで私利私欲にまみれ、目先の利益ばかりに執着する人が多いのでしょうか。

 

 

 鬼畜の所業とまでいわれた創業者による性加害問題でジャニーズ事務所が解体的な出直しが求められました。所属タレントをCMに起用していた企業は、「ビジネスと人権」をたてにして、新規契約を見送り、ジャニーズによる改革を求めています。

「ビジネスと人権」は、ESG(環境・社会・ガバナンス)においても重要な取組と位置付けられ、またSDGs 持続可能な開発目標の観点からしても同様といわれます。

それでもESG経営は止まらず - 日本経済新聞

 しかし、事務所の対応はおぼつかず、逆に混乱を生じさせるばかりのようです。いつになったら問題は解決するのでしょうか。

ビッグモータの末路

 一方、信じがたい保険金の不正請求問題を起こしたビッグモータは、国が立入検査に入り、半場強制的に解体的な出直しをしなければならなくなっているようです。全国にある修理や車検を手がける34工場に処分が科されることになるといいます。

ビッグモーター、検査で従業員がウソ 国が厳格処分案 - 日本経済新聞

「不正の広がりからして個別の事業所の問題ではない。組織としての法令順守体制が欠けており、このままでは今後も同様の事態が起こりうる」。国交省幹部は処分案の公表にあたって同社の企業風土を批判した。(出所:日本経済新聞

 当然の結末なのでしょう。ただこれで終わりではないようです。

役に立たなかったパーパス経営にDX

 いち早くパーパス経営に乗り出したSOMPOグループですが、中核の損保ジャパンがビッグモーターでの不正に加担して、その責をとって白川社長が辞任することになりました。

白川社長辞任の損保ジャパン、パーパス経営で不正防げず:日経ビジネス電子版

利益と倫理の間で利益を選び、このときパーパスが不正の歯止めにならなかった。(出所:日経ビジネス

 欧米で流行りの経営手法を猿まねしたところで、何も変化がないということなのでしょう。SOMPOホールディングスの櫻田CEOは、コンプライアンスやパーパスを明文化して周知を図ったが、企業文化や企業風土として根付かせるまでに至らなかったと悔しがったといいます。

 また、SOMPOホールディングスはDXにおいても他社に先駆け取り組みをはじめ、「DX先進企業」「データ活用先進企業」といわれ、様々なアワードを受賞するほどだったといいます。

DX先進企業だったはずの損保ジャパン、ビッグモーター事件で見えた実情:日経ビジネス電子版

そもそもDXを語る資格がなかったということになる。何せ自動車保険という基幹のビジネスの在り方を変えていこうという経営の意思が丸っきりなかったわけだからな。それどころか、大手保険代理店でもあるビッグモーターとの関係悪化を恐れ、不正疑惑が浮上しても同社との「腐れ縁」を維持しようとして、「顧客のために正しく商売する」というビジネスの基本中の基本まで経営者自らがゆがめてしまった。(出所:日経ビジネス

 これではとてもまともにデジタルによる変革なぞ、できそうにありません。掛け声ばかりで、見せかけのDXを推進し、自己満足に陥っていたというしかないのでしょう。

「顧客のために正しく商売する」、この上に生産性向上をもとめ、それによってビジネスのあり方が変わってはじめてDXということなのでしょう。

 同じような不祥事が露見しないことを祈るだけです。こうした事態を防ぐためにも、ほんとうの改革、変革を今すぐ始めるべきなのかもしれません。

 

 

「参考文書」

「プロルート丸光」前社長ら逮捕 架空売り上げで粉飾決算容疑―東京地検:時事ドットコム

ジャニーズ問題が問う「ビジネスと人権」 弁護士に聞く - 日本経済新聞

ビジネスと人権~責任あるバリューチェーンに向けて~ (METI/経済産業省)