Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【見せかけのSDGs】続く不祥事、進まない社会貢献

 化石燃料が高騰したといって電気料金が値上がりとなり、政府が補助をはじめます。一方で、電力会社は、再生可能エネルギー事業者に対し一時的な発電停止を求める出力制御を頻繁に行っているといいます。

 この上半期に東京電力を除く大手電力は前年より3.1倍多く出力制御を行い、その回数は194回に達したそうです。

再エネ出力制御が過去最多 大手電力、上半期194回 | 共同通信

 輸入に頼らず、自然エネルギーで自前で発電できる再エネを、この状況下でムダにすることが不思議でなりません。電力会社も政府もどんな感覚で仕事をしているのでしょうか。これでは税金むだづかい他ならないような気がします。

 

 

 カーボンニュートラルの達成に貢献し、また地域社会にも大きく貢献するはずの洋上風力発電において、汚職事件が発覚しました。

狭い業界、政財の癒着生む…洋上風力汚職 コロナ給付金詐欺は国会議員初立件 - 産経ニュース

 これからの新たな社会に向け期待の高いこの業界までが、利権を巡って政治に取り込まれているかのようで残念でなりません。

 みながSDGsバッジをつけ、SDGsが当たり前に語られるようになりました。また、ESGも国のサポートがあって、これまでになく浸透するようになっています。

 SDGsにまともに取り組んでいるのなら、当然ながら「ESG」も満足できるようになって、「ESG」の「G」ガバナンスのしっかりした企業へと改革が進み、社会貢献がなお一層進んでいきそうなものです。しかし、現実はそうはならずに旧態依然のままで、社会が良化するどころではないようです。残念なことです。

 

 

 ガザでの人道危機を受けて株式市場が動揺し、株価が上下動を繰り返しています。それでもなおこの先の企業の変化に期待し日本株に買いが入り先高傾向にあるように見られているといいます。この動きの中で、ガバナンスの悪い企業も同様に値をあげているといわれます。しかし、改革に消極的で過大評価されているガバナンスの悪い企業は今後、ヘッジファンドの標的となり、売りの攻勢を受けるかもしれないといいます。

ガバナンス駄目な企業、日本株高で売りの好機-好成績ヘッジファンド - Bloomberg

約25%の企業がガバナンス改善に積極的に取り組んでいる一方、30%程度は変化を避けている。(出所:ブルームバーグ

「こうした企業はコーポレートガバナンス改善に関して本当に何もしたくないのだ」とあるヘッジファンドマネジャーは語っています。また「日本のガバナンスは改善していると思われており、そこに疑問はない」と語り、「ただ、良いガバナンスと悪いガバナンスの企業格差はさらに拡大しているのが実態だ」と述べているといいます。

 その通りなのかもしれません。不正、不祥事が頻発する事態になっていることからそうなのでしょう。

改善しない楽天Gの信用リスク

 楽天のモバイル事業がようやく回復傾向になっているといいます。しかし、未だ赤字から抜け出ることができずにいます。またこの先に多額の社債の償還期日を迎えようとしており、そのための資金調達がまだ十分ではない見られているようで、楽天Gの信用リスクが高まっているといいます。

楽天Gの信用リスク、日本最大-同格付けソフトバンクGと明暗 - Bloomberg

 基地局整備においては社員による不正事件も発覚しました。楽天のガバナンスはどうなのでしょうか。業績改善に躍起になっていそうですが、積極的にガバナンスを改善しようとしているのでしょうか。GAFAに対抗意識を燃やますが、このままではその背中が遠ざかっていくことはないのでしょうか。

 

 

「参考文書」

日本風力開発にペナルティー 「300万kW」争奪も - 日経GX

<独自>三菱商事の風力事業会社、業界団体を退会 汚職事件の不信感が理由か - 産経ニュース

日本風力開発、風力の業界団体を退会 汚職事件受け - 日本経済新聞

不正防げず、パーパス経営の死角 | 日経ESG