Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

円安の今、海外企業から見た日本の魅力と安いニッポンの課題

 

 「世界に買われる安い日本の労働力」と、NHKクローズアップ現代が報じていました。言葉の響きはよくありませんが、言いたいことはわかります。

 クロ現によれば、中国企業が日本でマスク生産を始めたそうです。かつて日本企業が海外に進出したのと同じ理由からといいます。理由を聞けば、ごもっとです。

 悔しいことかもしれませんが、この流れに乗じるのも悪いことではないのかもしれません。それで成功した国が身近にあるのですから。

 

 

海外企業が日本に感じる魅力

「10年前20年前と比べ海外企業から見た日本は魅力的になっている」とクロ現はいいます。

「円安の今はチャンス」日本企業へ ジョセフ・クラフトさんの提言 - クローズアップ現代 - NHK

近年は消費者の志向も安さだけでなく、安心安全人権や倫理環境への配慮、など求めるものは増えています。

『メードインジャパン』であれば、高い品質に加え、こうした要素に配慮した生産ができると期待されているのです。(出所:NHK

 これまで価格が高かった「メードインジャパン」も、今は、安価になったことで、さらに魅力が増加したと記事は指摘します。

 そう言われれば、これまでの日本企業の取り組みが、決して間違いということではないのでしょう。円安という要因があってのことなのかもしれませんが、チャンスにしてもいいのではないでしょうか。

 ただ日本が、かつてのような安全安心な国ではなくなっていないかと危惧します。凶悪犯罪を頻発するようになり、不正は後を絶ちません。大企業での検査不正など様々な不正が明るみになり、東京オリンピックを舞台にした不正行為の調査も進んでいます。また、外国人技能実習制度が人権侵害と指摘され、また、SDGsやESGのウォッシュ行為もさかんに指摘されるようになっています。

「メードインジャパン」にまだ好印象は残っているのでしょうか。

 

 

 アパレル大手のワールドは、百貨店などで販売するブランドを中心に、国内の自社工場に生産移管を進めているといます。

日系製造業の「国内回帰・多元化」から読み解くグローバルトレンド | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

 ワールド(WORLD)は、人権侵害に絡む取引先からの原料輸入の問題を解決するため、自社工場をフル活用したサプライチェーン戦略に見直しているそうです。

 その背景には、コロナ禍でロックダウンを実施したベトナムなどから輸入品の2割強が納期遅れとなったこともあると、三菱UFJリサーチ&コンサルティングは指摘します。

 企業活動において「人権デューデリジェンス」が推進されるようになり、多くの企業が取引先の変更を行ったり、ガバナンスを強化するようになっているといいます。まだ現地生産を続けているケースもあるようですが、ワールドは「人権・労働への尊重」を理由に国内回帰した先例といいます。

 よいことではないでしょうか。サプライチェーンを見直すときなのかもしれません。またそのための課題も明白になっているのではないでしょう。より「SDGs」や「ESG」に取り組みやすくなっているとも言えそうです。