Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

よく耳にするようになったSDGsにESG、それでマネジメントは変わったか

 

 SDGsに、ESGなど、それに加えてDXや生産性の向上に賃上げ、企業に様々なことが求められるようになっています。こうした要求事項が明らかになれば、時間はかかるのかもしれませんが、やがて企業に定着し、社会がその方向に変わっていくのかと思っていたのですが、そうでもないのでしょうか。

一歩誤れば“最悪倒産”も、脱炭素に必要なのは20年後を見据えた組織のかじ取り:製造業×脱炭素 インタビュー(1/2 ページ) - MONOist

世界全体で脱炭素の流れが進む中、製造業各社がカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させるため、「サステナビリティ推進室」「ESG推進室」のような専門組織を立ち上げたという事例を多く耳にするようになった。CO2排出量のゼロ化という巨大な課題に立ち向かうためには、従来のCSR活動の枠組みにとどまらない抜本的な環境対策が求められる。こうした対策をけん引するチームの設置は、確かに今後必須になっていくかもしれない。(出所:MONOist)

 一般的な企業ではここまでしか進んでいないのが実態なのでしょうか。

 

 

 企業それぞれには経営目標なりKPIや指標が存在し、事業計画を立て、その数字を分析しては、経営、つまり管理運営するのではないでしょうか。

 社会の要求事項が変われば、経営指標も変わり、管理しなければならなく項目が増えることになるのでしょう。脱炭素についていえば、ESG投資などを通し、投資家からの要求事項も明確になっているはずです。

 たとえばスコープ3のCO2排出量を経営指標として扱い、現状を分析し目標を立て、それを管理実行するためのしくみやルール(社内規)を作り、役割と権限、責任を明確にし、それに合わせて組織体制を見直していくものなのでしょう。そして。各々の部門が細分化された目標をもって、その達成に向け行動管理すれば目標に向かいます。取って付けたような対応ではうまくはずもありません。

 海外での事例ですが、取引先とはQBR(Quarterly Business Review)と称し、四半期毎にその期における互いに共有した目標の定量的な達成状況を共有し、それを基準にして、次期の発注量を調整したり、協働で実行する改善活動などの取り決めを行っていました。また優秀な成績の取引先は表彰することもしていました。

 取引先への要求事項は、製造業ということもあってQCD(品質、コスト、デリバリー)の他多岐にわたり、何を求めているのかを明確に伝えるようにしていました。

 もし今日であれば、そこにCO2の排出量の他、ESGやSDGsでの要求事項などが加わるのかもしれません。また、必要があれば、みなが同一基準で算出可能となるクラウド型のプラットフォームを構築してもいいのかもしれません。いずれにせよ、取引先を含め誰もが効率的に進められる仕事のしくみを設計することが求められるのではないでしょうか。

 

 

 UBSアセット・マネジメントが10月末、「UBSサステナブル向上・コアバリュー株式ファンド」を設定したそうです。この新商品は一般の外国株ESGファンドとは異なる特徴を持つといいます。

逆風下で投入された「異色」のESG投信、既存の投資手法に問題提起 - Bloomberg

 記事によれば、ESG評価の高さよりも「改善」に注目しているといいます。株式に投資するESGファンドはESGスコアが一定よりも高い銘柄に投資するものが多いそうですが、「悪いものが良くなる過程で、株式市場における評価が上がっていく」とし、この変化を捉えることでリターンを狙っているそうです。

 まだ一部なのかもしれませんが、投資家の中にはESGにおける「改善」に着目するようになってきているようです。

 社会が求めるこれら要求事項を経営に取り入れろとのメッセージではないでしょうか。利益をあげるときと同じように、そのための事業計画を立て、適正に、そして誠実にマネジメントすれば、結果は必ずついてくるものです。