Up Cycle Circular’s diary

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アップルも広告停止、イーロンのツイッターはどこへ行く

 

 ツイッターの経営再建中のイーロン・マスク氏が苦境にたっているのでしょうか。多くの企業が広告出稿を一時停止、広告収入に影響が出ているといわれていますが、そこにアップルも加わるようです。

「アップルが広告出稿を停止した」とイーロンがツイートし、「米国の言論の自由が嫌いなのだろうか?」と述べています。

イーロン・マスク氏、Appleを批判 ツイッターへの広告ほぼ停止: 日本経済新聞

 記事によれば、マスク氏はアップルが「アップストア」からツイッターアプリを取り下げると脅したと述べ、「その理由は教えてくれない」と訴えたといいます。また別の投稿では「アップルによる秘密の言論弾圧だ」との推論を展開し、「顧客には一切知らされていない」と批判しているそうです。

 

 

 イーロンは「言論の自由の絶対主義者」を自称し、検閲的行為が行き過ぎであるとの問題意識からツイッターを買収したといいます。

 その後、トランプ前大統領のアカウントや、それと同様にこれまでに停止となっていたアカウントを次々と再開させました。こうした行為がやりすぎのように映り、多くの企業が関わるまいと、ツイッターを避けているのでしょうか。

 トランプ前大統領のアカウント復活について、イーロンは「法律や利用規約に違反していないにもかかわらず、彼のアカウントを禁止したツイッターの重大な誤りを修正するため」と主張したそうです。

 理解できない訳でもありませんが、その論理の危うさをみなが指摘しているのではないでしょうか。イーロンは何か有効な対策を示すことができるのでしょうか。

 また、有料の認証サービス「Twitter Blue」を再開し、チェックマークの色を、セレブも含めて個人アカウントはすべて青に、企業アカウントはゴールドに、政府関連アカウントはグレイにするそうです。 なりすまし対策も進め、認証バッジを見直ししているようです。

Twitter、12月2日に青バッジ提供再開とマスクCEO 「つらいが人間が認証する」 - ITmedia NEWS

これまではTwitter Blueに加入すれば無条件でチェックマークを付与するとしていたが、付与前に「人間が認証する」。これについてマスク氏は「つらいが必要なこと」としている。(出所:ITmedia NEWS)

 人間の行いには誤りがあるものとすれば、AIなどの機械的な判断に委ねることは正論なのかもしれません。また人による誤認を防止するために、さらに人をかければ非効率を生みます。

 

 

 イーロンは、2024年の米大統領選について言及し、共和党のデサンティス・フロリダ州知事を支持する意向をツイッターで明らかにしたといいます。

イーロン・マスク氏、米大統領選挙でトランプ氏ライバルの支持表明: 日本経済新聞

ツイートのなかで「24年の大統領選では、良識を持った(政治的に)中道の人を望んでいる。バイデン政権に期待したが、今のところ失望している」と記し、デサンティス氏への支持も明らかにした。(出所:日本経済新聞

 どんなテーマについても忌憚なく、自由闊達に議論できる場になれば、それはそれでいいことなのでしょう。そうした議論の中で、常識、あるいは良識が育まれ、ツイッターがより健全なものになっていくのは理想なのかもしれません。しかし、それまでの間に無法地帯になってしまっては意味がありません。それを防止するために、AIによる監視をイーロンは考えているのでしょうか。

デジタルの世界だけにとどまっていては、周囲の人々に対する「モラルコミットメント」(道義的責任)を感じることは難しい。(現実社会における)公共の場所にアクセスできる状態にあり、「自己の存在より大きい何かの一部である」という感覚をもてることが、健全な社会を築くためには重要なのだ。(出所:Forbes)

 

 

「民の声は、神の声」と、イーロンはいいます。今ある批判の声もまた「民の声は、神の声」ということではないでしょうか。イーロンはどこまで真摯にその声を聞けているのでしょうか。

理念なき鳥は堕ちるしかない。Twitterに本当に必要なもの

イーロン・マスク氏が本当にやらないといけないのは、Twitterの企業理念をきちんと定めて、その理念のもとにチームを作り、製品を考え直すことです。今のまま、理念に基づかず思い付きの開発を進めても、Twitterが成功することはないでしょう・(出所:NEWSPICKS)

 記事は、サイトの安全性、人権の尊重、災害時などの対応における信頼性などの問題点を指摘しています。

 それともイーロンは公開議論の中で、ツイッターの理念としての「言論の自由」の概念を構築しようとしているのでしょうか。

 

「参考文書」

イーロン・マスク氏「誤解はとけた」 AppleのクックCEOと面会: 日本経済新聞

EUがツイッターの禁止を警告、「コンテンツの監視」を要求 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

デジタル社会に必要なのは、リアルなつながりの場だ | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)