Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

企業の何のために存在するのだろうか、露見する不正の種子、目につく責任放棄

 

 健康意識の高まりからなのでしょうか、機能性表示食品のブームが過熱しているといわれます。ただ多くの食品メーカーが機能性の科学的根拠として不十分な臨床研究論文を作成している可能性のあるとの指摘もあります。

揺らぐ機能性表示食品への信頼、薄い科学的根拠で「論文採択率9割」 | 日経クロステック(xTECH)

「機能性表示食品」とは、事業者の責任で、科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品のことを指します。機能性に関する科学的根拠について国が製品を個別審査することはなく、あくまでも食品メーカー自らの責任で機能性を表示できるといいます。

 

 

 日経クロステックによれば、食品メーカーは機能性の立証に当たり、「研究レビュー」と呼ばれる文献調査を行うそうです。査読付きジャーナル(論文誌)などで公表された関連研究を総合的に調査・検討し、評価をまとめて消費者庁に届け出るといいます。

 一方、消費者庁は書類の形式上の不備がないかどうかをチェックし、問題がなければ受理するといいます。ところが、「科学的根拠の質の低さ」がたびたび問題視されるようになってきているそうです。不正の種子ということではないのでしょうか。

機能性表示食品の開発に携わるある研究者は「業界全体に科学的根拠の質を軽視する風潮がある。質の低い論文を作成している著者は、自分でそうと知りながら書いている」と証言する。また、この商業誌の編集者は「弊誌がリジェクト(不採択)しても、食品メーカーは他のいい加減なジャーナルに投稿するのではないか」と語る。(出所:日経クロステック)

 少々気になる内容です。大手メーカでの不正も数多く露呈しているだけに、こうした指摘を真摯に受け止めて、適切に対応して欲しいものです。

 

 

 自前の発電設備を持たない新電力が苦境に立たされているといいます。安定的に低価格で余剰電力を調達できれば、安泰であったはずのビジネスが、異常気象による電力需給の逼迫化がたびたび起こるようになり、それに加え、エネルギー危機で電力価格が高騰すると、これまでの強みであった自前電源を持たないことが弱みとなり、対応に苦慮しているといいます。

電源なき新電力の誤算 市場変貌、崩れた価格競争の前提: 日本経済新聞

 日本経済新聞によれば、破産した福岡市のホープエナジーの社長は3月の臨時株主総会で、「リスクを予見できれば事業自体やらなかった」と述べたといいます。

19年の株主説明会でホープの担当役員は「電気って意外と簡単に誰でも売れる制度になっている」と説明。エネルギー事業の売上高は20年6月期に100億円を超え、翌21年6月期には326億円まで拡大した。(出所:日本経済新聞

 そのホープは、JEPX日本卸電力取引所で電力を調達し、少ない人員で経費を抑え、低価格の電気を実現していたそうです。それまでは10円前後で安定的に調達できた電気が、破産前には倍近くまで高騰し、「逆ザヤ」での販売を余儀なくされたそうです。

 電力の自由化から6年。その「自由」は電力の安定供給を前提とするものでしたが、それが崩れ、新電力ビジネスのうまみは薄れたといいます。社会を支えるエネルギー供給の責任を果たせるかどうかが問われていると日本経済新聞はいいます。

 企業は事業遂行の責務を負い、それによって顧客と社会に奉仕、貢献しなければならない。そうであるはずなのに、ここ最近生じる問題からすれば、その大きな目的が忘れ去れているとしか思えません。こうしたことが遠因となって、日本の停滞が続いているのかもしれません。真に顧客と社会に貢献する姿勢を貫いていれば、成長しないということはないはずです。