ようやく秋めいてきたのでしょうか。北からの風が湿気に満ちた空気を入れ替えてくれたようです。記録づくめの長過ぎた異常な夏がようやく終わりそうでほっとします。こんなに秋が恋しくなることは今までありませんでした。
この先この異常な夏が毎年やって来ることになるのでしょうか。少々心配になります。
国連のグテーレス事務総長が「地球温暖化は終わり、地球沸騰の時代がやってきた」と警鐘を鳴らし、「人類は地獄の門を開けてしまった」と現状を批判しています。その激しい言葉使いからいらだちが伝わってきます。 切迫感は募りますが、温暖化目標達成にはまだ開きがあるのが現状のようです。
私たちはすでに気候危機に対する解決策を手にしているが、実現のためには社会全体で、新たな規模とペースで前例のない変革を進める必要があるという。(出所:ロイター)
気候変動対策を軌道に乗せるためには、森林破壊を停止させ、航空機移動や食肉消費の抑制といった人間の移動や労働、食生活の変革に至るまで、圧倒的なペースアップが必要になっているといいます。
COP28
COP28 第28回国連気候変動枠組条約締約国会議が、2カ月後にUAE アラブ首長国連邦のドバイで開催されます。しかし、未だ石炭や石油、天然ガスなど化石燃料の役割を巡る各国の主張には溝があり、世界が協力して解決を図るにはほど遠い状況だといいます。
アングル:COP28、見えない化石燃料廃止への道筋 止まらぬ温暖化 | ロイター
政治的な混乱が問題解決を複雑化させているのでしょうか。民主主義が衰退し、一方で独裁化の流れが勢いを増し、グローバルサウスが台頭してきています。こうした勢力争いが気候変動対策にも影響を及ぼしているようです。
脱炭素、欧米での混乱
脱炭素をリードしてきた欧州がウクライナ危機に巻き込まれて、混乱しているようです。
アングル:「嵐」に見舞われる欧州洋上風力発電、脱炭素目標に黄信号 | ロイター
他方、遅れを挽回しようとした米国では、脱炭素の要のひとつであるEVシフトに黄色信号が灯ったのでしょうか。UAW 全米自動車労働組合が賃上げを求めてストライキをはじめ、3週目に入り、さらに拡大する可能性があるといいます。その背景には、急速なEVシフトによる雇用不安があるようです。従来のガソリン車に比して少ない労働力でEVは生産できるといわれています。
G7の一翼として日本がこんな時には世界をリードできればよいのでしょうが、今の政府にはそんな気も無そうですし、関心事は違うところにあるようです。
総裁再選、支持率が左右 残り1年、岸田首相「長期政権」懸け:時事ドットコム
国のリーダーである首相が長期政権にすることに熱中しているようでは、どうにもなりそうにもありません。すべての政策はそのための手段でしかならず、問題を真に解決しようという気はないのでしょうから。
社会に貢献しようと社会問題を解決しようという信念がない人は、この時代のリーダーとしてふさわしくないような気がします。自らの道徳観に従って行動できる人が求められているのではないでしょうか。
「参考文書」
英国の熱波、年間数千人死亡が「常態化」へ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)