Up Cycle Circular’s diary

未来はすべて次なる世代のためにある

【列島を覆う前線、続く大雨】多発する極端な気候に警鐘を鳴らす科学者たち、求められる異常気象への適応

 

 九州での大雨の特別警報が大雨警報に切り替わりました。ひとまず峠を越したのでしょうか。被災された方々にお見舞い申し上げます。まだ大雨が続いている地域もあるのでしょうか。ただご無事を祈ります。

 先日、国連IPCC地球温暖化に関する第6次評価報告書が発行され、熱波や大雨などの異常気象が温暖化によって増えていると報告書は結論づけていました。また、これから気候変動が起こるのではなく、既に起きているとしていました。この大雨もそういうことなのでしょうか。いうことなのでしょうか。  

 報告書は、1度の気温上昇で1回の豪雨による降水量が7%増えると推計した。

気象庁などの日本の予測では、豪雨の発生は20世紀後半に比べて既に1.7倍に増えているが、気温上昇が2度になると2.6倍、4度だと3.9倍になる。(出所:日本経済新聞

www.nikkei.com

科学者や研究者は、温暖化による豪雨や熱波などの極端な気候に警鐘をならし、それへの適応を求めています。

1.5度の上昇で生じる被害に備える適応策は前倒しで考えるべきだろう

コストがかかるインフラ整備などは予算の関係で難しいかもしれないが、早く準備して無駄にならないことは取り組むべきだ (出所:日本経済新聞

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 今ある温暖化は人間の活動によるものとIPCCの報告書は断じています。

 温暖化を緩和していくこととさらに悪化することが予想される異常気象への適応が同時に求められています。

 温暖化の原因である温室効果ガス、日本ではその排出量の9割を二酸化炭素が占めるそうです。温暖化ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルは気候変動の影響の抑制には欠かせないといいます。

 

 様々なプロジェクトが立ち上がり、カーボンニュートラルを目指しての活動が始まっています。まずは2030年に、2013年比で温室効果ガスを46%減に持っていくことが目標になっています。

 今、この現状からすればバックアッププランを用意しておくことも肝要ではないのかと感じてしまいます。

 DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)も考える必要があるのでしょうか。DACは、大気中の二酸化炭素を直接回収できる技術のことを指します。

 これに「カーボンリサイクル」を組合せ、二酸化炭素を原料に新たな資源に変えていくことが求められているのではないでしょうか。「メタネーション」などがその代表的な事例です。

newswitch.jp

 また、山梨県では「4パーミル」という農業での脱炭素化を進めているといいます。

パーミルとは1千分の1で、4パーミルとは1千分の4、つまり0.4%のこと。

農地などの地表から30~40センチの土壌の炭素量を年間で0.4%増やすことができれば、人間による二酸化炭素の排出の影響を帳消しにでき、温室効果ガスの削減につながるという、フランスが2015年のCOP21で提唱した農業の脱炭素手法だ。 (出所:産経新聞

www.sankei.com

 産経新聞によると、果樹栽培で剪定した枝を蒸し焼きし木炭にするなどの方法が採用されているといいます。木炭の主成分はC炭素です。木炭は酸素を遮断して作られるので、その過程ではほとんど二酸化炭素が発生しないといわれます(木炭を燃やすと二酸化炭素が発生します)。こうしてできた炭を果樹園にまけば、土壌の改良剤としても機能するほか、土壌の保水性、保肥力の向上や、微生物の増加など、生物多様性の面でもメリットももたらすといいます。

 

 2050年のカーボンニュートラルと、2030年までに温室効果ガスを半減できれば、パリ協定の1.5℃目標の達成が可能といわれますが、それで十分なのであろうかと、感じるなことが次々と起きているように思います。地球はすでに1℃あまり気温が上昇しているといわれています。そのたった1℃でこれだけ異常気象が頻発するようになっているかと思うとぞっとします。

 先駆的企業が取り組んでいるように、カーボンニュートラルの達成を2050年より前倒すことを目指すべきであろうし、また、それ以上に二酸化炭素を回収し、資源化、または再利用する活動も必要になっているのではないでしょうか。

 ただ二酸化炭素には国境がありません。一国が単独で頑張ったところであまり意味がないのかもしれません。国際協力が求められているのでしょう。

温暖化対策が生活の質を上げるにもかかわらず、日本人は”コスト”ととらえがちだ。生活の質を下げると思っている人が多いが、世界では生活が良くなると考えられている。認識を前向きに変える情報発信が必要だろう」

と話すIPCCの6次評価報告書の執筆者のひとりである江守正多・国立環境研究所地球システム領域副領域長の言葉を日本経済新聞が紹介しています。発想の転換が求められているのでしょう。そうでないと、今ある危機から逃れられなくなりそうです。

 

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