新型コロナウィルスの世界的に拡大し、色いろ心配事が増える。
米ブルームバーグは、アップルのアイフォンを生産するFoxconnが、新型コロナウイルスの影響で稼働率が低下している中国工場の生産能力について「現在正常な状態に戻りつつあるとし(50%程度の稼働率)、3月末までには通常の稼働状態に戻ると伝えた。
iPhone Maker Expects China Plants to Return to Normal in Coming Weeks(Bloomberg)
「3日の時点で、中国にある工場の生産能力はこの時期の必要生産量の50%に達している。現行の予定どおりに進行すれば、3月末までに100%に達することができるはずだ」と、同社は証券取引所への提出書類に記している。ただし「まだ不確定要素が多く、通年の業績に対する潜在的影響を定量化することはできない」と同社は付け加えている。」(ブルームバーグの訳文 出所:c/net Japan)
米ブルーバーグは別な記事で、「ゆっくりだが着実に:中国は経済を仕事に戻すために戦っている」と報じる。
Slow But Steady: China Fights to Get Economy Back to Work(Bloomberg)
ブルームバーグエコノミクスのレポートによると、先週の経済はおそらく60%から70%のキャパシティで稼働しており、2月の約50%から上昇しているようだと伝える。
また、「石炭の発電所での使用量」「電力需要の変化」「二酸化窒素濃度」「ガス需要の変化」「人の移動」をデータで追跡している。
・石炭:発電所での石炭の使用は徐々に増加しているが、依然として通常よりも少ない
・電力需要:中国政府は電力供給が復活しているデータを示している。
・二酸化窒素汚染レベル:通常よりも低いままです
・石油備蓄:生産削減と需要の減少の中で増加しました
・液化天然ガスの輸入:先週は1月中旬のレベルに回復しました。
・人の移動:徐々に人の増加が増えている。約2億人の出稼ぎ労働者が2月末までに職場に戻っていたと、中国運輸省は報じた。3月以降、さらに1億人が職場に復帰するという。出稼ぎ労働者の主要な供給源の1つである四川省は、3月1日現在、約900万人の出稼ぎ労働者が仕事に復帰し、中国の国営メディアによると、河南省と湖南省の両方から500万人以上の労働者が仕事に復帰し、貴州の約200万人も2月末頃に戻ったと伝える。
(画像出所:NASA)
中国は少しずつだが、回復に向かい始めているのだろうか。
国際貿易振興機構は、その裏付けえるように、中国当局の発表内容をもとに、
「新型コロナウイルスは中国で感染終息の兆し、地域リスク分類で国内移動制限を緩和」(2020.3.5付)
「17省・自治区が緊急対応レベルを引き下げ、学校再開時期は未定」(2020.3.2付)
との情報を公表している。
新型コロナウイルスの感染が拡大した中国では、移動制限や隔離措置など強力な対策が取られたことで、目下のところ感染増加の勢いが収まり始めている。春節休暇後も経済的なダメージを覚悟しながら人の移動制限を行ったが、2月末にはその制限を緩和する動きが本格化した。(出所:JETRO)
(資料出所:JETRO)
新型コロナウイルスの累計感染者は、中国全土で8万26人(3月2日午前0時時点、以下同)、うち現在の感染者数は3万2,652人となった。湖北省での感染者は6万7,103人と、全体の83.9%を占めた。
新型コロナウイルスの流行後、1月29日から中国全土において1級の緊急対応が取られていた。2月21日以降、2月28日時点までに甘粛省、広東省(2020年2月25日記事参照)、江蘇省、四川省など17の省・自治区において緊急対応レベルを1級から2級か3級に引き下げることが発表された(表参照)。国家衛生健康委員会は2月25日の記者会見において、各省・市は緊急対応レベルを適切に調整し、エリアごとに、レベルを分けて現状に応じた予防・抑制対策を行い、秩序よく生活・生産活動の正常化に取り組むよう呼び掛けており、今後も地域ごとに状況を判断して緊急対応レベルを引き下げる動きが続くと見込まれる。(出所:JETRO)
(資料出所:JETRO)
日経ビジネスが中国での生産再開の模様を伝え始めた。
一部商品の買いだめが見られたが、まだ商品の供給面では大きな混乱にまでは至っていない。多くの商品や中間財などの供給を中国に頼っているが、その中国で徐々に生産が回復に向かい始めたようだ。良い方向に転じたことにひとまず安堵し、回復に向かうとの希望を感じる。
ただ、まだ油断はできないかもしれない。習近平主席の来日延期はそれを示しているのであろう。
感染拡大のニュースと悪影響のニュースばかりだと不安がつのる。不安解消につながるニュースを報道する必要もあるのではないであろうか。
ヨーカ堂は5日、イトーヨーカドー木場店(東京・江東)で催事などに使うスペースにトイレットペーパーの特設売り場を設けた。木場店では通常の入荷に加え、メーカーからの直送便で追加分を確保。午前10時の開店時には約50人が並んだが、1時間後も商品が並んでいた。(出所:日本経済新聞)
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