福井県越前市にある村田製作所の生産工場で、新型コロナのクラスターが発生、これまでに98名の感染が確認され、工場が8月31日まで操業停止になるといいます。
村田製作所は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の世界的トップメーカで、アップルとも取引のある会社です。MLCCの世界シェアは4割、この主力部品を生産しているのが福井の工場といいます。
日本経済新聞によれば、「部品供給への影響は精査中」と、村田製作所はコメントしているといいます。
MLCCはスマートフォンなどあらゆる電子機器に使われる電子部品。顧客への供給は在庫で対応するほか、島根県や海外工場などでの代替生産を検討する。生産停止が長引けばスマホなどの生産に影響が及ぶ可能性もある。 (出所:日本経済新聞)
ショッキングなニュースです。MLCCはごく一般的な汎用品、日経新聞が指摘するように多くの電子機器に使用されているはずで、なくてはならないものです。各社一斉に注残の納期確認、今後のめどを確認しようとするのではないでしょうか。
工場内における公衆衛生、従業員教育を含めた管理が問われているのかもしれません。
新型コロナによるサプライチェーンへの影響が心配されていましたが、国内工場においても現実的な問題になってきたということなのでしょうか。
自動車メーカ各社も、コロナの影響で減産といわれています。新型コロナの感染が深刻なマレーシアやベトナムなどで部品生産が滞ったことがその要因に挙げられていました。
ブルームバーグによれば、トヨタ自動車は9月の生産が当初計画から4割程度減少する見通しを明らかにしたといいます。
トヨタ調達本部の熊倉和生本部長はオンラインで、「足元の東南アジアの感染拡大やロックダウンが大きく影響して複数の仕入先の稼働に大きな影響」が出ていると説明。減産の原因は「一言で言えば、コロナ」だと述べた。熊倉氏によると、9月の減産規模はグローバルで36万台、うち国内が14万台で、「当初計画の4割減ぐらい」という。 (出所:ブルームバーグ)
この他にも、三菱ふそうやいすゞ自動車の国内工場の生産停止が予定され、ホンダやスズキ、日産、三菱自動車も海外工場の生産停止を予定しているといいます。
長引かないことを願うばかりです。対策はコロナを工場に持ち込まないこと、それに尽きるのではないでしょうか。会社という小さなコミュニティにおける確実な感染対策が求められているようです。
アップルもiPhone生産において、コロナ対応に苦慮しているようです。
東洋経済オンラインによれば、インドで新型コロナのデルタ株が爆発的に流行した影響で、フォックスコンはチェンナイ工場内での感染拡大の予防策としてiPhoneの生産を50%減らし、その分を感染が落ち着いている中国の工場に振り向けたといいます。
それまで、アップルは中国以外の地域に生産をシフトさせ、能力増強を進めてきました。しかし、このコロナで遅れが生じ、中国へ回帰しているようです。その中国では人手確保のため臨時ボーナスを出しているといいます。
国内でのワクチン接種率(2回目)が40%を超えたといいます。海外の事例からすれば、そろそろ感染拡大が鈍化してもよさそうなものですが、どうなっていくのでしょうか。
村田の事例からしても、職場単位できっちり感染対策と公衆衛生を徹底していくのが肝要ということなのでしょう。ニュージーランドではないですが、小さなコミュニティをバブルに包み込めばいいのかもしれません。真に、感染防止を考えるときのでしょう。