1月7日、今朝も寒い。日本海で低気圧が急速に発達し、その後北日本を通過するという。また寒波が到来するそうだ。また、気象庁は猛吹雪や大雪へ警戒するよう呼び掛ける。
ここ最近、年老いた母はテレビを見ては溜息をつく。増えるばかりのコロナの感染者数を心配しているようだ。もう年のこともあってか、出歩くことはないが、それでも「怖い、怖い」といっては、「マスクちゃんとつけているの?」と聞いてくる。こんなことが幾度も繰り返されている。いくつもなっても親子関係には変化はないようだ。親は子のことを心配し、子は年老いた親を気遣う。
そんな母のもとにも、知り合いや親戚から情報が届く。3日前だったか、知り合いが経営する介護施設の従業員からコロナが確認され、病院をたらい回しされたとか、従姉の家族に膀胱癌が見つかり、いざ手術となっても入院は1日だけみたいなことを病院から言われたとか、そんな話を聞くと、コロナがだんだん身近に迫ってきているとの実感があるのかもしれない。
誤謬
日本医師会中川会長の記者会見を見かけた。一部始終とまではいかなかったが、少しだけ足を止め見入ってしまった。淡々と話をされる様子とその語気に切羽詰まったものを感じを受けた。
必要なときに適切な医療を提供できない、適切な医療を受けることができないというのが、医療崩壊です。
医療自体を提供できない『医療壊滅』のような状況にならなければ医療崩壊ではないというのは誤解です。
現実はすでに医療崩壊です。 (出所:Business Insider)
中川会長の会見を見ながら、一昨年亡くなった父のことを思い出す。父が脳梗塞で倒れたのが、もし今だったらどんなことになっていたのだろうかと想像してしまった。
あの時受けられた病院での手厚い看護や介護施設での心温まる介護が受けられないとしたら...
今まさにそういう境遇にある人たちのことを思うと、少しばかり心がつまったりする。
父は半身不随となり、口もきけなくなっていた。看護師さんや介護士さんたちのあの看護や介護があってこそ、父は倒れてから2か月あまりの余生を過ごすことができたと思っている。とても自分たちだけではできなかったことだろう。
あって当たり前の医療が受けられないということは、きわめて切実な問題な気がする。これ以上、悲しみを増やしてはならないはずだ。
混乱
米国でも感染スピードが速まっているのだろうか。ロイターによれば、5日時点の死者数が3684人と、過去2番目の多さになり、24秒間に1人が死亡したことになるという。また、米国での累計の死者は35万7000人超。914人に1人が死亡したことになると報じる。AFPは米ジョンズ・ホプキンス大学の集計では過去最多だったという。
感染が深刻なカリフォルニア州は、コロナ感染者の対応に追われるロサンゼルスやサンディエゴ、オレンジ郡など14郡の病院に対し、不急の手術を今後少なくとも3週間延期するよう命じた。
連邦政府によるワクチン接種を巡る明確な指針に欠く中、ノースカロライナ、メリーランド州はワクチン接種ペースの加速に向け、州兵を投入し医療従事者の支援すると表明した。 (出所:ロイター)
こうした危機下にあって、米国ではトランプ支持者たちが連邦議会に乱入したという。AFPによれば、トランプ氏がこうしたデモ隊を扇動したという。
バイデン次期大統領は、「反乱」と呼び、議員らは「クーデター未遂」と呼んでいるという。
バイデン氏はこの事態を受けて、「われわれの民主主義がかつてない攻撃にさらされている」と述べ、トランプ大統領に対し、国民に向けてテレビ演説して事態を収拾するよう求めていた。「連邦議会議事堂に突入し、窓ガラスを割り、オフィスと米上院の議場を占拠し、適法に選出された議員の安全を脅かす? これは抗議デモではない、反乱だ」 (出所:AFP BB NEWS)
国のリーダーが危機に対処せず、責任を放棄したら一体どういうことになるのだろう。今この瞬間、混乱する米国がその姿なのかもしれない。
危機に対処する
今日夕方には緊急事態宣言が発出されるという。国ごとでレベルの差はあるにしても危機ということなのだろう。憶測を排し、今ここにあるすべての現実を素直に受け止めるべきときのような気がする。そして、危機から少しでも早く脱するできるよう協力すべきなのだろう。
批判は危機が収束してからしても遅くはない。時宜を得るべきなのだろう。政治家ばかりでなく、事業者を含めリーダーには今、責任を全うしてもらわなければならない。責任放棄されたら混乱の極みになるだけだ。
Out of Control、秩序の崩壊は避けるべきだ。反抗したところで、もう何も変化がないのかもしれない。時は一つの方向に動き出し、ある一つの未来にたどり着くだけのことだ。運命は自身が握っていることであろう。
「参考文書」