脱プラ、また一歩前進とでもいうのだろうか。
「プラスチック資源循環促進法案」が昨日9日、閣議決定されたという。
共同通信によれば、家庭から出る食品トレーや文房具などを「プラスチック資源」として一括回収する仕組みを導入するほか、使い捨てのストローやスプーンを多く提供する飲食店などに、提供方法の見直しによる削減策づくりを義務付けるという。
2022年4月の施行を目指すとのこと。
井出留美氏がYahooニュースで、使い捨てのフォークやスプーンの有料化に対するアンケート調査の結果を紹介する。
11,290票中、76%が「反対」
となっているそうだ。また、賛否両論、色々意見が出てくるのだろうか。
日本経済新聞によれば、新たな法案はプラスチック製品の設計から販売、回収、リサイクルまでを考慮して、使用量を削減して資源の有効利用を促す目的があるという。
飲食店や小売店などに有料化や代替素材への切り替えといった使い捨て製品の削減を求める。
コンビニエンスストアなどでは、ストローなどを消費者に渡すとき必要かどうか聞いたり、有料化したりすることなどを求める。
取り組みが不十分な事業者に対しては、政府が勧告や命令などを行うほか、従わない場合は罰則として50万円以下の罰金を科す。 (出所:日本経済新聞)
「新法でプラスチックごみが出ない社会を目指す」。
「昨年のレジ袋有料化はあくまでもその一つで、国民生活全般が変わる」
コンビニで、無料でもらえるからといって、使い捨てプラスチックのスプーンやフォークなどを好き放題もらうことに疑問を投げかける井出氏。
「使い捨てのプラスチックは少なくしていくこと、自分のために誰かが代わりにコスト負担や労働力を提供させられることは、少なくしていく必要がある」と指摘する。
「コンビニで提供される使い捨てのスプーンやフォーク、割り箸やおしぼりなどは、すべて無料だと誤解されている」。
「これらはすべて、コンビニ本部ではなく、コンビニ加盟店が負担している」と井出氏は指摘し、経済産業省の「コンビニのあり方検討会」の資料からコンビニオーナーの声を紹介する。
サービス文化の勘違い。トイレ、ゴミ箱のマナーの悪さ。箸、スプーン、フォー ク、紙おしぼりのサービスは無料だと思われています。これでは生活文化の衰退につながります。
確かに民度が低下していると言えば、そうなのかもしれません。けど、それに対する対応策がないんです。
井出氏が紹介したコンビニオーナーはさらにこうも指摘する。
例えばサンドイッチ買って、「どうしておしぼり付いてないの?」っていうお客様が多い。「おしぼりください」じゃないんです。
「スパゲッティ、お箸、フォーク、どちらお付けしますか?」「両方」なんです。ただでもらえるから、両方なんです。
有料化すべきなんです。
地域のお年寄りに「お箸何膳お付けしますか?」
「うちにだって箸あるって。うちにだってスプーンあるって」、お年寄りはそう言うんです。
ところが、洗い物の水を節約する、あるいは使い捨て文化、マイ箸がない。そういった本来の日本の文化を我々のサービスが壊してしまったんじゃないか。サービスの在り方を見直すべき。
過剰サービスが多くの「無駄」、さらに「廃棄物」を発生させているのかもしれない。
お客さまへのちょっとした気配りだったはずのサービスがいつの間にか当たり前になり、それが利便性の名の下で、立場の弱い人に強いられるようになる、何かおかしなことが起きているような気もする。
このオーナーが指摘したように、利便性を求めたサービスが、「善き文化」を壊しているのであれば、改めていくべきなのであろう。
法律に頼らなくてはならない。少し寂しい気もするが、時として強制力は必要なことなのかもしれない。
消費者ばかりでなく、企業の意識変化が求められているのだろう。その企業には説明責任もあるのだろう。
「これからは無料でスプーンが出てこなくなる。レジ袋有料化の発展版だ」と、小泉環境相が言ったという。
脱プラばかりでなく、過剰サービスも見直す契機にすべきなのだろう。